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2-3:都市前の検問

 戦士の村から旅立って数日、ようやく交易都市ポンが見えてくる。


 幸いにも街道では追っ手に襲われる事はなかった。


 というか、そもそも追っ手らしい追っ手がいるのかどうか、まだ分からない。


 戦士の村での流れから察するに、手配の対象になっている事は分かっている。


 しかし、故意に僕を殺そうと狙っている連中は今のところ見かけてはいない。


 だが、街道と都市内では事情が違うだろう。


 気を付けなければ。


 とはいえ、無事たどり着けそうでよかった。


 とりあえず、まずは都市内で買出し、そして宿探しといきたいところだが。


 やはり、あった。


 検問だ。


 都市の出入口で行っている。


 結構念入りに隊商の荷馬車を調べているな。


 まるで密航者を探し出すみたいな感じで。


 僕を探しているのかは分からないが、都市内を含めて警戒した方が良さそうだ。


「エリン、ここから僕は女装で押し通すぞ」


「えっ? 何でまた急に?」


「あれですよ、エリンさん」


 そう言って、僕は検問の方を指差す。


「あっ、そうか」


「バレて騒ぎになったら、ごめんなさい」


 僕とエリンは都市入口の検問へと向かった。


 昼間で出入り客が多いからか、列になっていたのでそこに二人で並ぶ。


 列の長さはそんなにでもないが、取り調べにどれだけ時間がかかるか分からない。


 どうしたものかと思っていたら、検問所と思われるところから兵士らしき人物が二人、列の様子見に歩いて来た。


「君たち、女の子二人? だったら通っていいよ。人を隠せるような大荷物も持っていないみたいだし」


 あれ?


 もしかして、すんなり通れるのかこの流れ?


 だが、念のため理由を聞いてみるか。


 何かの罠かもしれないし、女二人を誘いこんで悪さをする輩かもしれない。


「あの? 何かあったのですか?」


「いやな、何でも黒魔道士が逃亡しているって話でな、片っ端から男を検閲していたんだ」


「そ、そうなんですか」


「だから、女の子は通っていいよ。というか、さっさと通ってくれないと列が長くなって困るんだよ」


 ね、念のため女装を続けていてよかった。


 だが、やはり手配はされているのか。


 極力、男だとバレないようにしないと。


「まったく、こっちも仕事が増えていい迷惑だよ。だけど、魔の厄災エクスエナ以外にこれ以上黒魔道士が増えても困るしな」


「お、お仕事頑張ってください」


「ありがとう。これも平和のためだ。君たちも怪しい奴がいたら気を付けてな」


 僕とエリンは兵士たちに連れられて、無事検問の先へと進めた。


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