表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/69

1-1:逃亡する男の黒魔道士

(誤植を修正しました)

 逃げた。


 都会から離れた郊外の村里まで逃げた。


 しかも村から少し離れた森だ。


 ここまで逃げれば大丈夫なはず。


 魔法学校での卒業式。


 そこで行う最後の儀式。


 一人前の魔道士になるための覚醒の儀式。


 その儀式を受けて魔道士になる事には成功した。


 女装してまで魔法学校に通った甲斐があったというもの。


 今の時代、魔法学校には女性しか入学できず、女性しか魔道士になる事ができない事を意味する。


 だが、僕は男。


 当然ながら魔法学校には入学できない。


 だがしかし、僕は目的のために魔道士にならなければいけなかった。


 というか男が魔道士になる必要があった。


 女には回復を主とする白魔道士、男には攻撃を主とする黒魔道士になる素質があるからだ。


 だから、僕は黒魔道士になるため、女装して魔法学校に入学するしかなかった。


 そんなわけで、僕は女と性別を偽って魔法学校に入学し、そして何とか僕が男だとバレずに卒業の日を迎える事に至ったというわけだ。


 そして、卒業の儀式を受ける事にも成功した僕は、最初の目標である黒魔道士になる事には成功した。


 そう、ここまではよかった。


 卒業の儀式、そこで僕が男だとバレてしまったのだ。


 正直、バレる事は想定内。


 男の僕は、儀式を受ければ必ず黒魔道士の反応が出る。


 だから、卒業の段階でバレてしまうのは覚悟の上での事。


 男だとバレた僕はたちまち殺されそうになった。


 だから逃げたのだ。


 今の時代は攻撃を主とする魔法、つまり黒魔道士を禁じている。


 故に男は魔法学校に入学できない。


 それなのに新たな黒魔道士が誕生してしまったのだ。


 抹殺の対象になるのは仕方ないし、それも想定の内であった。


 だから、予め逃げる準備はしていた。


 とにかく、まずは黒魔道士になるという目標は達成したし、逃げて生き残る事にも成功した。


 死にたくないというわけではない。


 しかし、今は生き残らないと次の目標を達成できないしな。


 ここまで逃げたのだ。しばらく追っ手は来ないだろう。


 ここは戦士の村の外れにある森。


 都会から離れた場所にあえて作られた戦士の修行のための村。


 ここならば、魔法に疎いはず。


 そう考えてとりあえずの逃亡先に選んだ。


 一息休みたい。


 だが、今の僕は逃亡の身。


 何時見つかるかも分からない。


 だから、次の目標を達成するため、早く動かなければ。


 だが、あまり急ぎ過ぎてもいけない。


 万全の準備が必要だ。


 失敗してしまっては今までの苦労が水の泡である。


 幸いにして、今のところ期限はない……はず。


 まずは動く事が大切だ。


(ガサッ!)


 森の茂みから音がした。


 まさか早くも追っ手?


 それとも動物?


 何れにせよ、こんな森に入るなんてろくなものでは無いに違いない。


 僕も含めてだ。


 何かがこちらに来る。


 そう思って僕は身構えた。



よければブックマークお願いします

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ