プロローグ
最初に分かり易くクロエの強さを示す戦闘シーンがあった方がいいかと思い追加してみたプロローグなので、読まなくても大丈夫です。
(割り込み投稿を試してみたかったのもあります)
成る程、追っ手が急に追いかけてこなくなったのは、こいつが原因か。
森の中に逃げた僕の目の前にはクマがいる。
ごく普通のクマだが、クマを殺す用の装備でなければ対処できない。
追っ手は僕がこいつに殺されると思っているし、逆に自分たちがこのクマに殺されない様に逃げたのだろう。
「不運だな」
襲い掛かってくるクマに対して、僕は雷の黒魔法を放ってそれを一撃で倒す。
だが、雷の余波で近くの木に点火してしまったので、これを氷の黒魔法で慌てて消火した。
黒魔法は強力だ。その力に魅了されるのも分かるが、一歩間違えれば大変な事になる。
僕、クラウディオ・ロナ・エリクシールは黒魔道士。
このクマを軽く一撃で倒す程の力を手に入れたせいで、先程から追っ手に追われている身だ。
先程卒業したばかりの魔法学校には十八歳と偽っていたが、実年齢は今年で二十歳。
故に、この力を手に入れた事が悪い事であると十分に自覚しているが、それでも僕にはやらなければいけない事がある。
クマのおかげで時間は稼げたが、直にバレるだろう。
だから、追っ手に勘づかれる前に急いで逃げなければ。
クロエ(クラウディオ・ロナ・エリクシール)の年齢を20歳に設定したのは、昨今色々とあるので念のためです(本当はもう少し若くてもいいと作者は個人的に思っています)