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プロローグ
帝国歴XXX年私は殺された。
育ての親の息子である義弟アルトによって
私は嵌められたんだ。
アルトの悪事は全て私の悪事として告発され
18歳の誕生日を迎えた年に処刑されたんだ。
騎士団にいくら無実だと伝えてもだらも信じてはくれなかった
それどころか、心無い言葉を言われる中公衆の面前で処刑が実行される
その直前に私は前世を思い出した。
桂木悠紀の記憶だ。
「思い出すならもっと早く教えてよ…」
乾いた笑いが零れる。
娘と最後に話をさせてと涙ながらに訴えた
義母クレアと共に処刑台に上がってきた
義父ギースとアルトの3人は
私にだけ見えるように歪みきった薄汚い笑みを浮かべ
口々に言葉の刃を放つ。
そして真実を知った。
それは儚く散りゆく花のように
一握りの希望だけを残して
無残にも砕け散った。
ザンッという残酷な音と共に意識が遠のいてゆく_。
「ハッ....!!」
ドッドッドッと心臓が嫌な音をたてる
...私は気づくと10年前に逆行していた。