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招待状

リズから結婚を申し込まれてから数週間たった。


「イチ、どうするの招待状。受けるの?受けないの?」


「はぁー、なんでリラが知ってるの!?」


私は今困っていることが二つある。


一つ目は、私が騎士(リズ)に結婚を申し込まれていることがクラスメイトにバレていること。


二つ目は、リズから送られてきた招待状(上の身分の人達に会うために必要なもの)を受けるか、受けないか。


「だって、そんなビッグニュースすぐに広まるに決まってるじゃん!」


「そんなもんなのかな。でも私は受けないよこの招待状。わざわざ綺麗な服を着て、知らない調子にのってる馬鹿共に敬語なんて使いたくないし」





なんてちょうど三日前に私は言ってたはずなのに…。


「来てしまった…」


「?…どうしたの、イチさん」


「な、なんでもないです」


本当は行く気なんてなかった。大人達が私を強制的に連れて来ただけだけど…。隣の(リズ)は私が自主的に来たと思いこんでいるらしく、気持ち悪いくらい上機嫌だ。


そんなことより…


「リズ様が選んだ女性ですから美しいとは分かっていましたが、ここまで美しいとは」


明らかに私達より歳上な騎士に敬語を使われているリズ。なんでこんな気弱で弱そうな奴が敬語を使われているのか、「様」付けされているのか私にはわけが分からない。


しかも、人の顔を見るなり「美しい」ばかりを言っている。この人は何処かで頭でもうったのだろうか。


「へへっ、そうでしょ」


「あー、リズ様お話はここまでにしてお屋敷の案内をしてくれると嬉しいです」


これ以上話しをしていると頭がおかしくなりそうだった私は話しの話題を切り替えた。





お屋敷と言っても一つのお屋敷に何人かと一緒に住んでいることが多く、それは身分関係なしに行われている。


一つ例外があって、成人ずみの大金を稼いでいる人は大きなお屋敷に召使いを雇って住んでいる人もいる。


大体の部屋の造りは同じだったけど、大きく違うのは設備の差でどれも高そうで、綺麗だった。


「それじゃ、最後に寮でも行ってみる?」


「えっ、いいんですか!?」


寮と聞いて少し楽しみになっている自分がいてなんだか嫌だけど、ここまで部屋が綺麗だと寮がどのようになっているか気になる自分がいても仕方ない。





「ここの廊下にある全部の部屋が寮になってて、俺の部屋は前から四番目のっ__」


ガチャッ


「おっ、リズ帰って来てたなら言えよって…お前誰?」


自分の部屋から突然出てきた男の子。リズの友達なのか知らないけど初対面相手にガン飛ばしてくるなんて感じ悪い。


「ロリオくん、僕の部屋なんだから暴れないでよ…?」


もう一人部屋から出てきた小柄な男の子。どうやらこの部屋はこの子の部屋だったらしい。


「帰ってたの言ってなかったのはごめん、この人はイチさんって言って俺が数週間前に結婚を申し込んだ人」


「はぁッ!?」


「…えっ」


男の子二人は口をぱっくり開けて驚いている様子だった。


「でも…、ロリオがイチさんに悪い態度とったのは許さないからな」


「誰かも知らない相手と仲良くする奴がいるかよ!?」


ここからリズとロリオの二人の口喧嘩が始まってしまった。


その様子をあわあわと見つめる男の子。この子はなんて名前なんだろう。


「あの…、名前を伺ってもよろしいでしょうか?」


「ぼ、僕はテンガっていうんだ。これからよろしくね」


そう言いながら私に笑顔をむけてくれるテンガ。


「テンガ様は可愛らしい方なんですね」


私が感想を言うと同時にテンガはそっぽを向くし、リズは口喧嘩をやめて私に飛び付いてくる。


「なんでテンガは可愛いって言うのに俺には行ってくれないんですか!?」


今にも泣き出しそうな目でこっちを見てくるリズ。リズは可愛いというか…。


「あ、あのもうそろそろ離れてっ__」


ゴーオンッ


外から響きわたった大きな鐘の音。


確かこの音は敵が来たときに鳴らされるって説明されたような…。


「お前ら、テンガ以外呼び出しだ」


突然現れたガタイのいい男がそう言った。


「俺、今忙しいんですけど。これで今月何回目ですか。どうせまたアイツらですよね」


口を開いたリズは別人みたいな話し方になって、顔付きもさっきとはなんだか違う。


「あぁー、本当はこんなの嫌だけど…イチさん、テンガと一緒に待っててください。それが一番安全なので…」


「…はい、分かりました」


まただ、プロポーズされたときのあの感じと同じ真剣な瞳。やっぱり何処かで見たことがある。


その瞳をむけられたら「はい」と返事をする以外、私に選択しなんてなかった。

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