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プロポーズ

冬、怪我をしたたくさんの騎士達が運ばれてきた。


私達天使は戦えないかわりに回復魔法に長けている。なので、怪我をした人達は身分関係なしに私達のもとに訪れる。


なのに、何故私達の身分が低いのか理解ができない。


「詳しいことは言えませんが人手不足の関係で今日から二日間授業を休みにすることになりました」


レラ先生の言葉に皆肩を落とした。私みたいな子供天使は回復魔法を使いこなせない、そのせいで仕事も授業ない子供天使は暇で仕方ない。


「それでは皆さん二日後に、イチさんは残ってください」


私だけは例外だけど…。


「生徒に頼むのはちょっと悩んだけど…人が足りなくて…生徒で一番魔法を使いこなせるイチさんに頼むしかなくて…お願いできる?」


「はい、分かりました」


頼まれたのは今回で三回目だった私はその頼みを受けてしまった。


「それじゃ、まずこの人をお願いしたいんだけど…」


後々後悔することも知らずに。





先生にお願いされたのはリズという男の騎士。怪我は軽傷だったが気を失っている状況で目を覚まさないって先生が言っていた…たぶん。


「私は傷を治せばいい話だし、目が覚めなくても知らなーい」


「…アズキ」


呪文を一回唱えただけで全部の傷が治った。でも、一項に目を覚ます様子はない。


「毒とか?確か他に運ばれてきた騎士達は皆重傷って言ってたし、この人だけが軽傷っておかしいような…?」


少し不安になった私は先生を呼びに行こうとドアノブに手をかける。


「瑠璃さん…!」


ドアを開けようとした私を止めたのは知らない名前を呼ぶリズだった。


「リズ、…リズ様調子はいかがですか」


気を取り直して調子はどうかと問いかける。


「そうじゃなくて、君瑠璃さんであってる?」


「申し訳ございませんが存じ上げません」


「えっ」


リズは困ったような顔をしている。


「それでは、私は報告がありますのでしばらく寝ていてください」


「ちょっと、待って。俺、君に用事があるんだけど」


「…イチです」


「えっと…」


「私の名前です。私は君ではないので」


「イチさん、初対面の人に言われたら嫌かもしれないけど…俺と結婚してください」


本当にこの人は正気じゃない。知らない名前を呼ぶし、自分より下の相手に「さん」付け、初対面の私(天使)に結婚を申し込むなんて自分の地位を下げること同じだ。


「失礼ですが、病み上がりなので冷静な判断ができなくなっているかと…。あと、私の友達にリズ様のような騎士様と結婚したいと言っている子がいるんです。たぶん、その子の方が喜ぶかと…」


自分でも何を丁寧に断っているんだろうなんて思って目線をそらす。


「…イチさんじゃないと意味がないんです。理由はたくさんあるけど…俺、絶対あなたのこと守るので結婚考えてくれませんか」


初対面のはずなのに私を真剣に見つめるリズは何処かで見たことがあるような気がした。

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