1.5 読まずとも本編は理解できる説明会。主人公の父による雑な『仮面の男』のあらすじ
「お父さんって、映画好きだったよね」
「うん、そうだね」
「仮面の男って知ってる?」
「映画は見てはいないけど、あらすじは知ってるよ。デュマの三銃士が元だったはず」
デュマ?三銃士?と頭の中がに、はてなマークしかない静香に彼女の父は考えるように小さく言った。
「デュマはちょっと4年生の静香には早いか」
「三銃士という物語は、昔のフランスの王様の部下の話なんだけど」
静香に簡単にあらすじを話し出した。
「昔は双子が嫌われていたんだけど、王子として双子が生まれたんだ」
「何で嫌われてたの?」
「知らない」そこ今、関係ないからと静香の疑問は無視をする。
「王子を殺すことは出来ない、だから同じ顔をした王子の一人の顔を仮面で隠して幽閉したんだ」
「それって、『1人っ子として生まれてきた事にされたんだよ』」
静香からの疑問を全て遮るように、手を上げ話を勝手に続けていく。
「育った王子は悪い王へとなった。
だから仮面を付けた双子の、もう一人の方の王子が悪い王に成り代わったという話」
話し終えた静香の父は、彼女に向かい微笑み「今は難しくてわかんないよね」と付け加えた。
「えっと」
あらすじへの感想を話すために口を開く静香に父は声を掛ける。
「そろそろお風呂入らないと」沸かしていないお風呂の方へと向かって行った。
もしかしたら、話を知らなかったのかもしれない。
後に静香はそう気づいた。
三銃士は後の名君となった、仮面を被っていたほうの王子を導いた人たちです。
史実として「仮面を付けた男性」は存在しますが、映画:仮面の男はデュマの三銃士より着想を得た物語
(だったはず)
特別確かめていないので、間違っていたらごめんなさい。