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死の淵 桃源郷  作者: ぺったんこ
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夢の話 シマジシリウス

第六章 シマジシリウス


セミやゲンゴロウに寄生して光る物質をシマジシリウスと言います。

私は小学校の文化祭の特別授業でこう教えた。

私はエンジニアである。ボランティア活動の一環で、この日、小学生を対象とした理科の授業を受け持った。

特別授業の話を聞きつけた保護者や先生方が、私の授業を聞きに来ている。教室は生徒と保護者と先生でいっぱいになっている。

教壇前のテーブルには、虫カゴに入れられたセミと小さな水槽に入れられたゲンゴロウが大人しくいる。教室の窓のカーテンが閉められ、天井の蛍光灯が消されてた。教壇前のテーブルのセミとゲンゴロウは、羽根の側部が眩しいくらいに明るい黄緑色に光っている。小学生は、おーっと声をあげた。保護者と先生方は、眼鏡を手にかけピントを調整したり、目を細めたりしている。

一同が目に慣れた頃合いを見て、私は得意げに言った。

「この光るものは寄生虫で、セミとゲンゴロウにだけにいます。何故、セミとゲンゴロウだけなのかは、まだ分かっていません。この寄生虫をシマジシリウスと呼びます。」

一同もう一度、おーっと歓声があがった。


私は何を言ってるんだ。シマジシリウスってなんだ?何故みんなはこんな出まかせを信じるんだ?何故、私はシマジシリウスについてこんなに言葉が出てくるんだ?

シマジシリウスって何だ?


シマジシリウスとは、最近発見された注目のトピックで、私はシマジシリウスの研究の先駆者としてちょっとした有名人らしい。

私は違う世界からこの世界に来てしまったのか?この世界の自分に乗り移って来てしまったのか?いろいろ考えている間に、生徒たちや保護者たちが、教壇前のテーブルを囲んでいる。

私は知っている。シマジシリウスが何で、セミとゲンゴロウにしか寄生しないのかを。でも思い出せない。昔、誰かにその理由を教えてもらった事がある。

昆虫の王に。

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