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世界探索  作者: たいたい
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人は常に危険と隣り合わせ

上級者用コースを滑っていた俺だが、しばらく滑ってるうちに周りの様子がおかしい事に気が付いた。

何かがおかしいな。滑っている途中で、誰かがこちらをちら見しているのが見える。


「どうした?」

俺が声をかけても、相手は返事がない。

気のせいかな、と俺はそのまま滑って続けるようにコースを進んだ。すると、


「うわぁぁぁぁ!!」

また何か聞こえた。しかも今度は悲鳴に近い。俺はそのままコースを戻った、すると、今度は悲鳴が聞こえてきた。

俺がコースを戻った瞬間、人相の悪い男が俺の前に立った。


「あぁ?てめえ何だよ」

相手は不良のようだ。

見た目の見た目から、恐らく体育会系だろうな。こんな奴とは関わりたくない。こんな奴に関わりたくはない。

俺はそう思った。

すると、不良は何処かに電話を掛け始めた。

俺は何だか嫌な予感がした、何かよからぬ事が起こるんじゃないかと。

不良は、携帯、というかスマートフォンを、電話の時にスピーカーにしているせいなのか、電話の呼び出し音がよく聞こえる。


そして、電話の相手が出たようだ。

「おい!聞こえてんのか!そこのてめえ、何しているんだ?」

不良は電話相手に威圧感を出して、問い掛けている。

多分、電話の相手は何かまずい事をしているのだろうか。

電話に出た相手は、


「あ、あぁ?何って...」

不良は、何か言っている。だが、声が小さかったので、よく聞き取れない。


「あ?」

不良はさらに、何か言って、


「おい、聞こえてないのか?てめえ、俺に逆らえるのか?ああ!?」

色々言い争っているが、何か様子がおかしい、不良の方はとても焦っているように見える。

何か、まずい事態が起きている。俺は、そう感じた。


「......ッ!!」

電話が切れた、不良は


「何なんだよ!何なんだよぉ!」

と喚いている。


「こ、怖っ...」

俺は、不良に大丈夫なのか問いかけることにした。



「た、助けて!た、助けて欲しいんだ!」

不良は、助けを乞いている。

何故、不良が助けを求めているのか、俺には訳が分からなかった。

不良に、何があったのかを聞いてみる事にした。

「向こうで、とんでもない事が......」

と不良は呟いている。



「何がとんでもない事なんだ?」

不良は口を固く閉ざしている。

まさか、このスキー場でとんでもない事が起きているんじゃないか......そんな予感がしていた。

俺は、他の調査団員や、護衛の騎士達に電話をかけ、何かおかしい事が無かったか聞くことにした。



「おい!誰か、誰か、何が起きた?変な人はいなかったか?」

色々な人に確認をする。

初級者用コースでは、特に問題は発生していない事は判明した。

これで、少なくとも娘には被害が来ていない可能性が高いことが証明されたので、良かった。

俺は、安堵の表情と疲労の表情を浮かべる。そう、これでよかった。しかし、この安堵もつかの間だった。


「......あッ!!」

中級者用コースの方で問題が起きていたようで、更にそれが上級者コースの方へと拡大しようとしているらしい。

このままでは、初心者用コースの方に被害が出るもの、時間の問題だ。

このまま何とかしないと、全員の命がまずい。

護衛の騎士がいるとしても、少人数で大きなこのスキー場全体にいる原因を捜索し、原因を抹消し、全員の安全を確保するには厳しいだろう。

このままいけば、全員無事では済まない。最悪だと、初心者用の初級コースの方へと被害が出ることになり、下手したら死者が出るだろう。

更に、初心者用コース以外、民家等に被害が出て民間人にも影響が出てしまう。

......仕方ない、俺は、中級者用コースの方へ向かい、原因を抹消しようと走り出そうとする。

その途中、調査団員、護衛騎士に安全の確認をしてもらう事にして、娘にはホテルの方に向かってもらうことにした。

こんな危険が起こってしまうなんて、予想外だった。

予想外のことなんて、溢れているが、とりあえず原因が何なのか、全く分からない。

まだ、体力には余裕はある。だが、相手が何なのか、予測が出来ない。

それで俺は、もしかしたら調査団員や、騎士の中にそれらしいものを見たやつがいるかもしれないと思い、それについて確認を取ることにした。

すると、怪しい不良、怪しい侍、怪しい影等色々聞くことが出来たが、多分怪しい不良っていうのは俺が見かけたやつだろう、それについては単なる不良だから、今回の騒動とは関係は無いだろう。

そして、侍と影については、俺は見かけていなかったので、それが原因の可能性もあるが、影については、自分の影を化け物だと勘違いしたというパターンも有り得る、その可能性も考慮するとしたら、侍が一番怪しい事になる。

つまり、中級者用コースのどこかに侍がいる可能性が高いということだ。

あのB級映画まみれのコースをまた滑るのかと思うと気が重くなるが、仕事だと割り切って向かう事にした。

そして、この中級者用コースでとんでもない事が起きることになってしまうことを、俺はうすうすと気付いていた。

だから、自分が安全でいられるのかが心配なポイントだった。

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