映画の感想はちゃんと自分で見てから言え
このポスター、欲しくないね。
スキーで滑ると、映画の名画面のワンショットの画がある。
画面は、へそに団子を入れることで、ゴマ団子を作るというシーンだ。
食べ物を無駄にするようなシーンが堂々と紹介されているのはどうなんだろうか。
頭がやられるような、イカれてるシーンが入ってるなんてもはや病気だ。
いや、きっと、この映画がそんな人向け映画なんだろう、そういうイカれてる映画が好きな人がいるんだろう、そういう風に解釈しないと、理解が出来ない。
......あー、そう。多分、そういうことに。これ、俺の感性を狂わせにきているんだ。
「俺の感性をどうするつもりなんだ!」
思わず大声で言ってしまった。しかし、その声は誰にも拾われる事は無い。
また滑り始める、さっきみたいに映画のものがある度に一々止まっていたら、いつまで経ってもこの中級者用コースが滑り終わらなくなる。
だから、しょうもないものは無視をするべきなんだと頭の中で決めた。
どうやら、ここから先は、日光とかにある、いろは坂みたいな感じで、カーブの度に、名シーンがあるらしい。
名シーンというより、迷シーンだろう。
まず、最初のカーブは、「サボテンの棘で整形手術をする人は」次のカーブは、「腹踊りの名人に腹踊りみたいなタトゥーを仕込むシーン」
どれもカオスとしか言いようがない、理解の厳しいシーンだ。
こんなシーン、俺が見たい筈がない。こんなシーン、俺が見たい筈がない。このシーンのシーン主が誰だか知りたくない。
そんなの知ったってなんの意味もないじゃないか。
「ヘラでケーキのイチゴを潰す」、「ドラゴンが登場して、雪合戦をする」、「ラクダとハエを同居させる」、本当に謎シーンがひたすら続いている事がよくわかる。
そして、最後のカーブがカーブを曲がろうしていた時だった。
「......なんだこれ?」
これは、本当に理解出来なかった、いや今までの物も理解は出来ていなかったのだが、これだけは文章に書き起すことさえも難しい代物だ、コメディ映画とは書いてあったが、悪夢映画の間違いではないのか?それでも理解は難しいのだが。
俺は、この画像を見て、これ以外の文章を俺は書けないし、書けないと悟ってしまった。
そして、終盤まで滑った。
ここまで、本当に長かった、そして、ラストに向かう。
「ラストで、ホワイトソースが、人類を滅亡させる」
俺の心は、そのラストで、ついに挫けそうになった。
そのラストに、この文章を俺は、書けないと悟ってしまった、書けないと思った、書けないと、もう筆が進まなくなってしまった。
わけが分からなすぎるのだ。
理解なんてできるわけが無いじゃないか。
そして中級者用コースの最後、スタッフの人が、こちらに話しかけてきた。
どうやら、この中級者用コースを滑った人がちょうど俺で十万人目らしい。
それだけは嬉しいと思った。
その記念品で件の映画のDVDを貰った、捨てたわ。
あんなものを渡すのは、嫌がらせでしかないと思う。
人の心を壊す時に使う道具の類だとしか思えないような内容だ、これは人をおかしくする。
この映画の感想を実際見た事のある人に聞こうとすると、
「あの映画は、本当に、最悪な内容で、笑えないです」
と言うのが、一番多い。俺は、自分の意見を言うのをやめた。みんなと被るから。
そして、またリフトに乗ることにした。
今度は、上級者用コースに挑んでみようということである。
上級者用コースという事は、つまりスリル溢れるようなコースになるという事だ。
スリルは、体験してみないと分からないかもしれない、と俺は思っている。そう言った人達の気持ちを、俺は、勝手に想像して、勝手に楽しんだ。
リフトを二回ほど乗り継いで、そして上級者用コースの入口へと辿り着いた。
そして、そこで感じた。そう、確かにこのコースは、スリルに満ち溢れている。とても楽しいと思える。それに、まだ、人が大勢滑っている。
このコースには、プロとしてスキーを滑っているような人達ばかり集まっているようだ。そして、俺もその中に、混ざっている。
そう、俺もそうだ。俺は、この上級者用コースの参加者だ。そしてそのコースには、今は俺しか来ていないが、リフトに乗っていた時は、何人かいたのが見えていた。
上級者用コースから滑り始めることにした。
上級者用コースはスラスラと滑り始めて、中々な良さを引き出していた。
これは、本当に、楽しい。上級者コースを滑る楽しさに俺は、また、ハマり、その虜になってしまった。
スキーっていいなって、思っていた。
初心者コースを滑る楽しさも、今はいいかも知れないけれど、プロコースを滑るのも、いいかもしれない。そうしよう。
そう思った俺とは、違う気持ちを持った連中もいた。
世間には色々な人間もいるんだから、そういった人間がいたとしても、おかしくはないだろう。
それは、俺の勝手な考えだけど、今は、そう思えた。俺は、上級者コースを滑る、そして、他のスキーをしているグループを見た。
他のグループもうまい。
そして、上級者コースの方が滑るスピードが上がっていたりと、滑りを楽しんでいるようで、俺は、そんなグループを見た。
そして、俺についてももっと滑るようになった。