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世界探索  作者: たいたい
13/35

自分が悪い時は人のせいにするな

社長がたくさんの人に責められている。

社長はその周りの人間と一緒に責められている。この理不尽な出来事は、社長の自業自得だった。


「お前は......!」

社長は謝罪会見を開くことになった。

社長の謝罪会見は、午後の6時から始まった、会場には沢山のマスコミや記者たちがいた。

社長は記者団に質問された。

社長は記者の前に出て、自分が犯した罪を説明していく。社長は記者たちの質問攻めにあうが、社長は淡々と語る。

そして、その全ての原因を自分の責任では無いという。

社長も自らの責任が無いという。社長の言葉を聞いても


「......責任は無いんですか?」

と、質問してくる記者たちだった。記者は


「あるに決まっているじゃないか......」

と続け、社長に反論をしていく。しかし、社長がそれに反論するので、また


「そんな......」

と、落胆していた。社長には、社長の考えが有るのも当然のことだと、自分は悪くないと主張した。

当然、この謝罪会見は大炎上した。

ネットニュースにもなり、掲示板でも問題視された。

それだけではなく、テレビのニュースでも大々的に報道され、あちこちから炎上の火柱が燃えまくった。

批判されまくり、社長は、事務所から去ることになった。

それは、刑務所に投獄されたからだ。

あまりにも罪が多過ぎた、刑罰は、懲役45年。

社長は、刑務所の中でも、その罪を反省することはなかった......

そして今でも刑務所の中にいる。

「ということがあったの......」

彼女にこんなことが起きていたなんて。

「昔の事だけど......たまに吐き出しておきたい時があるの......」

余りにも悲しすぎる。



「......私にも、そんな時代があって......当時、私も、その時代の事を考えて......」

まさか、彼女は不幸体質なのではないか。

彼女を幸せにしなければならない、そういう使命があるのではないか......俺はそう思っていた。

「重い話しちゃってごめんなさい......」

彼女は俺に、そう謝りだした。


「......気にしないでください......」

俺は、その悲しみに耐えられなかった。

思わず涙が出る。話を聞くだけで彼女の心を痛めてしまうなんて。俺は今、とても充実な生活を送っている、幸せで、幸せな気分でここにいる。本当に俺は幸せ者だ。それなら、彼女に幸せを分けようじゃないか。


すると、ベルの音が聞こえる。

「あ、電車出るみたい」

ドアが閉まり、ゆっくりと電車は走り始める。

時計の針は13時45分を指している。

「まだ距離はあるな......」

彼女を早く、家に届けなくては。

俺はそう思いながら、また涙を流すのだった。


「......あぁ、この音」

電車の車輪と、線路の音が心地いい。

もう随分と揺れている。そろそろか......


「おぉ、とうとう、来たか......」

絶景スポットだ。

ここは、美衣津浦の近くだ。

美衣津浦沿いを走る区間は、およそ3キロにも渡り、壮大な水が見れる。

彼女は、景色にみとれている。



「......きれいですね」

これが、彼女の心を明るくしてくれればいいのだが。

しばらくすると、車両が止まった。




「......あ、電車止まる」

しかし、ここには駅はない。

これは、この電車のならではの行動である、この美衣津浦の景色を堪能してもらうために、ここでは一時的に、電車が止まる。

そして、しばらくするとまた動き出す。


「......あぁ、いけそう」

彼女は、その美しさを、その景色に見とれているだけだ。......もうそろそろ、だろうか。俺は、彼女の横に立った。そして、言う。



「......すまんな」

彼女は、また目を閉じて......


「......いいえ、大丈夫です」

彼女は、俺の顔を見ると、また目を開ける。


「......すいません、ありがとうございます」

俺の頬に触れる。


「......あと、ありがとうございました。あなたのおかげでやる気がでてきました」

俺は、笑顔で返す。


「......あ、いえ、こちらこそ、ありがとうございました」


二人は車両を移り、ゆっくりと休む。



「......お疲れ」

そして、二人とも仮眠をとる事にした。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「......っ............」

俺は、目だけを開けて彼女を見る。彼女は、目をつむって......いや、目を閉じている。

今は......18時か。俺は、彼女を起こそうと、手を伸ばす。


「......あ、あの、......」

しかし、彼女に反応はなく、目も閉じている。


「......」

疲れてるのか、もう少し寝かせておくか。

俺はそう思い、今の場所を確認する。

ここは、うーん、馬渡駅を通過して......新馬渡駅も通過か。

となると、次の停車駅は、塗織駅か。

まだ、時間は十分あるな。

塗織駅から先は単線の非電化区間となる、今までの区間は、ローカルな部分も多いが、諸々の都合で電化されていた。

ここから先の非電化区間は、基本的に電車は入れないが、電車やディーゼル車には、電車・非電化でも問題なく走れるものと言うのが、魔法の力で作られた事がある。

今回乗っているのは、その車両だ。

言い忘れていたが、この線路は出間本線と呼ばれている。

電化・非電化合わせて出間本線だが、電化区間は、新出間本線、非電化区間は旧出間本線と利用者の間で呼ばれている。

一応、支線とかもあるが、今回支線の方に乗る予定は今日はない、明日とかにはもしかしたらあるのかもしれない。


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