冒険前には何かと準備がいる
ここは異世界だ。
しかし、俺は別に異世界転生とかした訳では無いが、色々な記憶を持っている、だがしかし、それはこの世界だと普通の事だ。
この世界は、元々それぞれが全く別の世界として独立存在していたが、ある時期を境に、それぞれの世界が混ざり合い、合体し、一つの大きな世界となった、だが、元々別の世界を別とする、そういう意識もまだまだ残っている。
なので、元々別だった世界は、異世界と呼ばれる。
日本だって、アメリカや中国等の事を外国と呼ぶ、それは別の国だからだ、異世界呼びも似たような物だ。
異世界には、まだ知られていない情報や財宝等が無数とあるらしい、だが、それはまだ確定していない未確定情報だ。
ただでさえ、この世界は他の世界との関係を持つのに対して消極的であり、そもそも他の世界に生命体がいるのかについてすらも知られていなかった。
そのため、異世界探索が必要というのが、発展として大きな鍵になるのだが、全く無知であるため、最悪命を失う可能性すらあり、何があるのかの伝達すらも厳しいとされ、無駄死にとなる可能性が高いのだ。
少なくとも、命を守る防具、武器、そして何より伝達装置が必要だ。
まずは、異世界探索への準備段階として、金を稼ぐのが第一の手段となるだろう、そしてある程度の金を稼いだら、武器・防具を最低限でも購入、そしてまた稼いでまた買ってと繰り返して、この世界で一番良い物を買う、そこまでの工程は長いものの、外の様子が読めないため、どんなに時間が掛かろうと、安全対策として色々手を打つ必要がある。
俺は、まずは自宅の自室に向かった。
自室の中には、布団、テレビ、スマホ、タンス、時計、エ○本、オ○ホ、そして財布だ。
財布の中には、合計で250円、そして会員カード、ポイントカードが入っている。
会員カード・ポイントカード共に俺の住んでる村の中にある商店のものだ。
この村は、かつて武器・防具・宿屋があり、それなりに栄えていたらしいが、少子高齢化、人口減少等に悩まされ、殆どの店が撤退、唯一ある店がこの商店だ。
この商店では、本来武器屋や防具屋で販売されているものがある、しかしランクは低いものなので、あまり頼りにはならないだろう。
この村の商店に武器屋防具屋の役割を商店が持ってるのは、とっくに消えた店だが、いくら体が老化しても、モンスターに襲われても攻撃・防御が出来なくてはやられるばかりである、自分の身が自分で守れるように最低限の準備である。
会員カード、ポイントカードでも買い物ができる、会員カードにはブロンド、シルバー、ゴールド、プラチナ、ブラックの五種類が存在する、それぞれで効果は違うが、詳しくは知らない、俺が持っているカードはブロンドカードで、買い物をする時、商品一点につき十円ほどの値引きがされる、これだけでも今の所持金だと十分過ぎる効果だ。
俺は、この村から外に出た事があるが、ここからいくつかいった町でも、この会員カードは使えた、どうやら少なくとも俺の世界ではカードの類は統一されているらしい、ポイントカードも問題なく使える事が出来た。
ポイントカードは名前の通り、ポイントを貯める為のカードで、ある程度のポイントで色々な物で引き換えが出来る、50ポイントで炭酸水350ml、200ポイントで、板チョコ一枚、等その店で対応商品が変わったり、時期・季節ごとにその季節の商品に変わったりする、特に大型商品というのがあり、とても大きなものとして、引き換えることが出来る。
そのため、俺は商店に向かった、商店に入ると、食品、武器、防具などがあった。
俺は、武器と防具を見て回った、武器はオンボロの剣、木の剣、防具はオンボロの盾、木の盾があった。
オンボロの商品は一律五十円、木の商品は一律百五十円、今の所持金だと、木の商品一つと、オンボロの商品一つの組み合わせが一番最適だろうが、食品を買って、武器、防具はオンボロの物を買うというのも作戦の一つだけ、食品を食べて、体力が回復したり、一時的に攻撃・防御が上昇するものもある、だからそこも含めるとしたら悩みどころだが、家の冷蔵庫の中にいくつかあったはずなので、とりあえず食品については別に買わなくてもいいだろう。
木の商品だとしたら、攻撃を取るか、防御を取るのかが悩みどころだ、悩むのだが、適当に買うしかない、どちらかがオンボロでも、攻撃も防御も、それぞれ出来る物なので、どちらでも問題はないが、ここで新しい考えが出てくる、ストックを買うべきなのかと、オンボロの武器、防具それぞれ二個ずつ買うと、残高は五十円になる、この残高は、木の商品とオンボロの商品を一緒に買った時と同じ価格になる、お金がすぐ溜まるとは限らないが、どちらが正しいのかというとそれはどちらも分からない、メリットもデメリットもあるので、悩んでしまうところだ。
色々悩みまくったが、結局木の剣とオンボロの盾を購入する事で決着した。
そして、家に戻り、冷蔵庫にあった食品をいくつか取り出し、それらを持って、村の周りでお金を稼ぎに歩み出した。