終わりから
クソみたいな世の中を見渡していた。
高台から見下ろす街の風景はとても美しいが、その中に汚い生物がたくさんいるのを意識すると、どうしようもなく気分が悪くなった。
「女なんか皆クソだ、男を皆見下している」
「男もそうだ、女を皆見下している」
「人間は皆クソだ、見下し合いながら生きている」
なんの得がある?なんの意味がある?
僕には見下し合う人生の意味が全く理解ができない。
ラブソングや恋愛関係の作品たちは、口を揃えて君に会えて良かったなどとのたまう。
「やかましいわバカが」
そんな感受性を持ってるやつなんかいるわけがない。
あなたにあえてアタシは幸せです?君をもう離さない?
反吐が出る。お互いがお互いに自分自身のことだけを考えた恋愛しかできない奴らが、なに綺麗事を抜かしてやがるんだ。
悪態をつく つばを飛ばす
街の中に日が沈んでいく
どうか、あの沈んでいく日が隕石であれ。
地球を全て消し去って、この汚い世界を綺麗にしてくれ。
隕石が降った
願いがようやく叶うときが来たのか。
夕日とともに燃える石が落ちてくる
突発的に災害が起こり、人間たちは慌てて駆け出す
どこへ逃げようとしても逃げ場なんてないというのに。
世界の終わりだと叫ぶバカや好き勝手やろうと女を襲おうとするゴミ、襲われる愚か者。
ここぞとばかりに男へ暴言を吐く女、泣きながら女へすがりつく女々しい男。
突っ立ったまま呆然とするアホズラ。
様々な人間が多種多様な反応を示している
僕は確信した。
ようやく、
ようやく、
このクソみてぇな世界が終わる。
涙が溢れて止まらない
良かったな女、これでお前らも隠してた気持ちの悪いエゴを開放できるぞ。
良かったな男、これでお前らも好き勝手、法律関係なしに子種を好みの女にぶちまけられるぞ。
良かったな人々よ。
よかったね、
君よ。