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クズニートの成り上がり~『剣の翼』を手に入れ、『ボーナスダンジョン級チート訓練所』で最強になったクズ男の至高堕天録~  作者: 閃幽零×祝百万部@センエースの漫画版をBOOTHで販売中
第二部『堕ちていく、クズ男』

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29話 みっともない醜態。


 29話 みっともない醜態。


「話戻るけど、上に報告せんのは、なんでなん?」


(あれ?! ひいてくれたんじゃないのか?! さっきの鋭角な対話は『互いの平和』を求めたがゆえの救済処置ではなかったのか?!)


「知らん中学生がどうなろうが、知った事やないやん。久寿男は、あたしと同じで『偽善かますタイプ』とちゃうやろ? 自分が生き残るためなら、誰が死のうが関係ないっていうスタンスやん。『どうでもええもん』は『どうでもええ』ってハッキリさせる、ある種、冷徹で無慈悲な人間やん」


「まあ……何一つ間違っちゃいないんだが……文章に起こすと、聞こえが悪すぎるな、俺」


「あたしもおんなじなんやから、別にええやん。クズ同士やから分かり合える事もある。それでええやん。言っとくけど、あたし、久寿男以外の全人類が死滅しても、別に構わんっていうスタンスやからな。人間なんてクソな生き物、むしろ、積極的に滅んでしまったらええんや」


「……」


 天童と出会ってから、作楽は間違いなく丸くなったが、

 原性質に大きな変化が起きたわけではない。


 多少、錆びて切れ味が落ちようとも、

 刃物が刃物であることに変わりはない。


 『切れやすい』か『少し切れにくい』かの違いでしかないのだ。


「そんなあたしと同じくらいクズのくせに、なんで、あの中学生だけは、妙に守ろうとするん? おかしない?」


「俺とお前だと、少し方向性が違う気がするが……」


 などと言いつつ、天童は、


(考えろ……この状況を切り抜ける方法……なにか……なにか……)


 頭をフル回転させる。

 必死に、全力で。


 ――その結果、


(あった……一つだけ……この状況を打開する会心の一手……)


 オーバーヒート寸前で、天童は光を見つけた。

 この逆境を突破する渾身の一撃。


(この論法だと……かなりみっともない姿を晒す事になる……)


 そこで、天童は、グっと奥歯をかみしめて、


(ハッキリ言って、作楽の前で醜態はさらしたくない……が……まあ、仕方ない。俺の体裁なんかよりも、守らなければいけないものがある……それだけの話だ……)


 覚悟をきめると、すぐに、出来る限りの深刻そうな顔で俯いて、


「あいつの姉を……殺してしまったんだ」


「ぇ?」


「みっともない話だから、出来れば、言いたくなかったが……ミッションで、一人、死なせてしまったんだよ。完遂できなかったんだ」


「……6人全員を守ったって言うてなかった? ていうか、それがクリア条件って――」


 天童は、心底恥ずかしそうな顔をして俯き、

 両手で顔を隠すようにして、


「死なせていいのは一人まで……本当は、そういう条件だった……」


 消え入りそうな声で、

 懺悔するように、


「……『誰も死なせずにクリアした』……そう言った方が『かっこいい』と思って……ウソついたんだ……お前の前だから、いいカッコがしたかった……ようするに、話を盛った……俺すげぇだろって……見栄を張ったんだ……」


「……」


「おそろしくみっともないな……笑っていいぞ。というか、どうか笑ってくれ」


「……アホやなぁ……」


「……ほんとうに男ってのはバカだよな……いつだって、自慢話を全力で盛ってしまう……そういうしょうもない生き物……ほんと、みっともねぇ」


 絶妙なタメ、絶妙な声音で、

 そんな告白をしてから、


「……俺が死なせてしまった『損害1』が、あいつの姉だ。もしかしたら、そのせいで、記憶が消えていないのかもしれない。目の前で家族が死ねば、心という部位に大きな損傷ができる」


「その傷が、記憶を維持させたってこと?」


「……『本当のところ』は分からないが、俺は『その可能性が高いのではないか』と思っている。妙な事に、あいつは『姉の死について』だけ忘れている。もしかしたら、姉の死という記憶データが重すぎたのかもな。『姉の死という重荷』を消すのにエネルギーを使い切ってしまったせいで、他の記憶を消せなかったのではないかと、勝手に推測しているが……もちろん、真実は知らん」



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― 新着の感想 ―
[一言] 確かに、真実に嘘を混ぜるのはバレにくいですが、 これは、作楽が佐々波に話した時に、あっさりと 天童の嘘がバレる気がしますねぇ。
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