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クズニートの成り上がり~『剣の翼』を手に入れ、『ボーナスダンジョン級チート訓練所』で最強になったクズ男の至高堕天録~  作者: 閃幽零×祝百万部@センエースの漫画版をBOOTHで販売中
第二部『堕ちていく、クズ男』

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17話 残念。


 17話 残念。


「美しいほどの空間支配力。――だからこそ、美しくはないが、こうして、たかが高校生相手に、プライドを捨てて、人質を利用しようとしているのだ。ふふ。ちょっぴり不愉快だが、第2フェーズに移行する」


 御茶目にそう言うと同時に、主天使は、天童と同じく『事前に不可視状態で展開させていた複数の高性能リモコン』を、一斉に起動させ、女子達にレーザーを放った。


「っっ!! ちぃいいっ!! ディレイ粒子、散布!!」


 天童は、カタナをそのままに、

 『彼女たちを守るため』に配置していた防御型遅延系の兵器を発動。


 レーザーの発射速度が『かなり落ちた』が、

 しかし『天使の目』があってようやく分かる程度しか落ちていない。

 とてもじゃないが、女子中学生に『自力回避』を求められるほどではない。


 おまけに、リモコン系は例外なく追尾性能を有するため、

 たとえ、たぐいまれな反射神経をもっていて、

 奇跡的に緊急回避に成功したとしても、

 結局のところは、回避した直後にブチこまれてしまう。


 ――だから、天童は、



「点火!! マキシマムブーストっ」



 すぐさま、女子達の元まで高速で飛び、その身でレーザーを受け止めた。


 全身にビームが収束。


「ぎがぁああ!」


 ガードを固めたが、右肩・左足に濃いダメージが入った!


 中和しきれなかったエネルギーが暴走し、

 天童の『右肘から先』と『左脛から下』を粉微塵にふっ飛ばす。


 そして、爆発の衝撃で地面に叩きつけられた。


「ふげっ!!」


 踏んだり蹴ったり。

 その悲惨な光景を目の当たりにしたギャル6名は、

 当然、





「「「きゃぁあ!!」」」





 高音の悲鳴を合唱。

 目の前で『人間の腕や足が吹っ飛んだ』のだから、

 仕方ないと言えば仕方ないが……



「うるせぇ……響くじゃねぇか……黙ってろ。おまえらは、痛くも痒くもねぇだろ」



 天童は、足に再生力を集中させながら、

 左手で体を支えつつ、フラフラと立ち上がる。


(お荷物をこれだけ抱えた状態で戦闘を長引かせてもジリ貧確定。思考誘導のブラフを押し通して『一点突破』を図るしかねぇ)


 片足だけで立ちつつ、ショットガンを取り出し、

 ――その銃口を、主天使に向け、


「おいこら、先輩! 主天使のくせに、高校生のガキとタイマンを貫く気概もねぇのかよ。くそが! こころざしが低いにも、ホドがあるんじゃねぇか、あぁん?」


「それなりに的確な挑発だ。しかし、少し浅い。心理に関しては、解析不足とみえる」


「……」


「あらゆる状況を想定し行動に移す決断力。見事。……洞察力、対応力、反応、反射。危機的状況下でも回転する頭。活力。気力。胆力。つまりは、卓越した戦闘センス。すべて良質。なるほど、なるほど。確かに上々。それなりには美しい。だが、しかし、どこか、決定打にかける」


 主天使もショットガンを取り出しながら、ゆっくりと、近づいてきて、


「この状況では、とにもかくにも、私の排除だけに集中すべきだった。これほど劣勢の状況下で、6人全員を守るのは確定で不可能。つまりは、どれだけはやく『何人切り捨てるか』を正確に計算する事――それこそが『必着』の場面だった。その程度は見極めてほしかったものだ。『決断力』は認めるが『判断力』には、疑問があると言わざるを得ない」


「……」


「飛び級試験というエサにつられて命をこぼす。指揮官としては最低だ。美しくない。失格だな」


 と、得意げに高説をぶっている主天使に対し、

 天童は、ニっと笑みを浮かべ、




「……俺の足……なんか、妙に治るのが遅いと思わねぇ?」




「なに?」


「……『不可視化させたリモコンで女を狙っておく』……その程度なら、さすがに『最初から想定』できる。それが一番確実だからな。でも、それって、こっちも同じなんだよね。やっぱり、リモコンって便利だよなぁ。現環境じゃ、マジで必須だわ」


 ――天童の言葉から、

 即座に『その先』を推測した主天使は、



「くっ!!」



 一瞬のうちに『対抗フィールド』を展開しつつ、バっと後ろを振りかえる。


 ――『おそらく、リモコンで狙われている』。

 天童の『回復速度の低下』から推測するに、エンジェルコントロール。

 『優れた性能を持つ天使同士の戦闘』に慣れているからこそ辿り着く『音速の推測』。


 細かい対応と処理が求められるからこそ、思考が完全にシフトする。


 ――だが、



「っ?!」



 何もなかった。

 合理性をデコイにしたブラフ。

 ――即座に気付くが、コンマ数秒遅い。




「うぐっっ!!!」




 全身に響く絶大な切断の衝撃。

 真っ二つに裂かれる主天使!!


「……まあ、普通は、エンジェルコントロールを搭載していると思うわな。でも、残念、魔心臓でしたぁ」


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― 新着の感想 ―
[良い点] あの魔心臓は伏線だったのか...!! [一言] 無理しない程度に更新頑張ってください! 毎日楽しみにしてます!
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