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クズニートの成り上がり~『剣の翼』を手に入れ、『ボーナスダンジョン級チート訓練所』で最強になったクズ男の至高堕天録~  作者: 閃幽零×祝百万部@センエースの漫画版をBOOTHで販売中
転章「部下殺しのクズ男」

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8話 死亡。


 8話 死亡。


(GAシステムからログアウトして……コアを一端OFFって……って、いや、違う、違う! 俺はアホか! 『一型』は、そもそも、リカバルがついてねぇだろ。先に『リカバル8・27』をインストール……それで、えっと……えっと、えっと、えっとぉ!!)


 ワタワタしながら、必死に高瀬の剣翼を直そうとするが、





「……なん、で……こんなところで……かは……ぁ……――」





 高瀬はあっさりと絶命してしまった。

 完全に死亡。

 そうなれば、再生装置は意味を持たない。


 ――剣翼を使っても、死者蘇生だけは出来ない。

 天童は、ドっと疲弊した顔で、

 高瀬の死を確認すると、


(……詰ん……だ………………)


 一瞬、目の前が暗くなって、クラっとした――が、


(ぃ、いや、違う! ここから始まるんだ!! 落ち着け。焦るな。むしろ、ここからが本番だ。切り替えろ)


 ゆっくりと立ち上がり、

 作楽の方に視線を向ける。


「久寿男……」


「実は、二分前から、お前たちのやりとりを見ていた。状況は理解している」


「どないしよ……あたし、人を殺して……」


「落ち着け。おまえに殺意がなかった事は理解している。これは、事故だ。高瀬は他者を挑発して、引き金をひかせ、さらに、自身の点検不備が原因で絶命に至った。こいつの責任だ。おまえに問題点はない」


「ないわけないやん!!」


「ない。そもそも、お前は、引き金をひいていない」


「……は?」


 『何を言っているのか分らない』という顔をしている彼女の横をすり抜け、

 さきほど、作楽が投げ捨てたグレネードランチャーを拾い、


「代わりに俺のショットガンを、お前に預けておく」


 言いながら、自身の武器を作楽に手渡し、


「いいか、よく聞け。この演習の直前、俺とお前は、手持ちの武器を交換した。理由は、強襲の大天使二機同時相手の場合、グレランよりも散弾の方が戦いやすいだろうと俺が判断したから。そして、高瀬を誤って撃ってしまったのは、救援にきた俺だ。いいな」


「なにいうてんの……」


「お前は何も知らない。お前が目を離した一瞬の隙に、事は起きてしまった。だから、お前は何一つ、状況を解していない。誰かに何を聞かれても『知らない』とだけ答えろ。いいな」


「……アホちゃうん、自分。なんで、久寿男が、あたしの身代わりに――」


「お前は、人間嫌いを公言している。上から、人格に問題アリという評定も受けている。いうなれば、イエローカードだ。運よく『殺意皆無の単なる事故』として処理できたとしても、マイナス評価が一定に達したとみなされ粛清される」


 だが、天童なら?


 たぐいまれな才能を持ち、

 歴代最高クラスの評価を受け、

 主からも犬として可愛がられており、

 現時点までにマイナス評定が一つもない天童なら、


「俺の立場があれば、この状況を『ちょっとした事故』程度で収めることも――いや、その程度じゃなく、キッチリとうまく運べば、『見逃してもいいミス』で片づけさせることだって不可能じゃない。幸い、今回は最も規模が大きい増強大隊戦だ。大規模な戦闘で、観察官の目が緩い分、隠蔽はたやすい。もちろん、始末書は書かされるだろうし、最悪、降格もありうるが、逆に言えば、その程度で済ませられる」


「絶対に嫌や。久寿男に押し付けるくらいやったら『軍規違反で主に殺された方』がマシや。あたし、あのクソガキにムカついたから撃ったんやもん。死なすつもりなかったけど、そんなん関係あらへん。キレて撃ったんは、事実やもん。自分の責任は自分でちゃんと取ったる」


 まっとうな正論を語る作楽に、

 天童は、


「頼む……」


 作楽に、崩れるように、すがりつき、


「頼む……作楽。頼むから……困らせるな……お前にまで死なれたら……」


「……久寿男……」


「お前なら殺されるが、俺なら見逃してもらえる。それでいいじゃねぇか。頼む……」



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