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第三話 一足先に
墓場の掃除を終えてからも、おれはまだあいつのいた墓場にいる。もうみんながいる墓場に戻ることはしない。あそこに戻ったら、まだ生き続けたいと思ってしまう。せっかくした決意は無くさないようにしなければ。
と、ここで一人今のうちに挨拶をしておきたい奴を思い出した。
LINEで巧に連絡をとる。無事殺ったことを報告するのをすっかり忘れてた。
<言い忘れたけど終わったぞ ありがとな>
これが最後のメッセージにしておこう、と思ってトーク画面を閉じ、そこで巧のステータスメッセージを見て、言葉を失った。
<お疲れ 来世では少し先に産まれとくから>
と書かれてあった。
「はー・・・」
ゆっくりと横になる。息が白く染まっていく。全くあいつは前触れもなく生まれ変わる。せめてこっちの無事くらい確認したらどうだ。くそ、来世まで呪ってやる。もう一度トーク画面を開き、過去にさかのぼっていく。
色々なことが思い出されていく。
こいつは、
いつもおれの上を越えてきていた。
いつも人のために動いてくれた。
いつも・・・
もっとはやく出会いたかった。そしてもっとずっと遊んでいたかった。
・・・はやく生き返りたい。そしてまたあいつと色々楽しみたい。
来世でまた出会えることを願いつつ、そしてそのときのことを考えながら、いつの間にか眠りについていた。




