第三話 笑い、出発
<じゃあ次はあそこ>
シュッ
サプレッサーの付いたスナイパーライフルの音が森に響く。
ストッ
弾が木に当たる。ほぼ中央だ。
<うん、大分いいね>
練習に付き合うように言ってから3日。50メートルくらいなら当てられるようになってきた。
ちなみに初日は反動に負けて空に向けて何発も撃ち込んでいた。かなりの進歩だ。
<まあ、これで大丈夫じゃない?>
<ありがとな さぼらず練習できた>
<役に立ったんなら、いいんだけどさ、>
<気をつけてよ>
急に心配された。
<まあ、無事に帰ってきてやるよ>
<またゲームしようぜ 練習付き合ってもらったお礼だ>
<一回くらい勝ってみせてよ>
そう送られてきて、巧は笑った。
<負けっぱなしでは死ねねえよ ただ>
<ただ?>
<もし、死んだら後は頼む>
<頼むって、なにを?>
<他に、誰も死なないようにしてくれ>
<無茶言うなあ>
<お前なら出来そうな気がする>
<だったら、頑張ってみるけど 死なないでよ>
<死んだら許さない 来世まで呪ってあげるから>
<素晴らしいアフターサービスだな>
そう言って笑いあった。
<そこまでのアフターサービスだったら安心だ>
<安心して、いってらっしゃい>
そこで、巧の笑顔が信頼の笑顔に変わった。
<おう、ちょっと出掛けてくる>
そう言って、飛び立った。ここまでカッコつけて出てきたんだ。帰ってくるところまでしっかりカッコつけてやる。




