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第一話 幽霊がやっちゃいけないこと①
旅行から帰ってくる頃にはすっかり夏になっていた。日中は近くの店に行き、涼んでいる。だが、夜はそうも行かない。
「あ~暑い」
「寝れねえ・・・」
こんな調子だ。幽霊でも温度は影響する。
「誰か涼ませてくれぇ・・・」
「なら、」
と、レジャーシートを敷いて横になっていた美菜さんが上半身を起こし、
「怪談話しないですか?」
と提案した。
「怪談・・・」
と考えた頃には爺さんどもが揃って、
「いいな!やろう!」
と決定した。さらにせっかくだから実際にあった話にしようということになった。
「じゃあ俺から行くぞ」
と尾形爺さんが話し始めた。
「あれは・・・俺が小学生の時だったか 友達数人と一緒に川のぎりぎりを自転車で走ってたんだ 今となっては何でかは忘れたが で、ちょっと石に当たった弾みで川に落ちちまった」
「うん・・・」
「やばいと思って上がろうと思った だけど上がれないんだよ・・・」
声のトーンが一気に下がる。
「え・・・!?」
「何でかって言うと水面に鉄の蓋があったんだな もちろんさっきまでは無かったのにな・・・」
「なにそれ・・・」
「もうだめだ・・・そう思った瞬間周りが明るくなって息ができるようになった・・・」
「どういう・・・?」
一息つくと、
「夢だけどな!」
と笑顔で答えた。




