第二話 幽霊って便利でめんどくさい
おれが幽霊になった、その夜のこと。
「じゃ、歓迎会するか!」
なんてどっかの爺さんが言い出した。(まだ名前知らない)
「あんたは酒のみたいだけでしょ!」
定番コントのような突っ込みが、その爺さんの(多分)奥さんからあり、笑いが起きる。
「ばれたか~」
というその80歳くらいの爺さんの手から日本酒の瓶が出てきた。もちろん中身も入っている。
「どっから!?」
「簡単だよ 出したいものをイメージしてみろ」
と言われたのでペットボトルのお茶をイメージすると、
「おお、出てきた!」
お茶とか渋いなあ、なんて声が上がったりしていた。別にいいだろ、日本のものを受け継いでいこうって気があるって受けとれ。
「便利だろ?」
まあ・・・、そうだけど、便利の一言で済ましていいのか?こんなの。
「・・・そういえば葬式には行かなくていいのか?」
「え・・・、間に合うの?」
「まあ、葬式は無理でも火葬くらいなら間に合うんじゃないか?」
まだ焼かれてなかったのか。ていうか順番とかどうなってんだ?よく知らない。
「どこに行けば・・・?」
「さあな、あちこち回るしかないんじゃないのか?」
「・・・めんどくさっ」
思わず本音が出てしまった。
「まあそう言うなよ、墓に誰も友達が来なくなるって悲しいもんだぞ・・・全く・・・、何で来ねえんだよ!」
「少し落ち着きなさいよ!あんた!」
奥さんと思われる人(さっきの人とは別)にたしなめられていたが、まだぶつぶつ言っている。
「ま、あれでも又吉の言うこともあってる 何年かすると来てくれる奴は大分少なくなるからな お前さんのことをちゃんと考えてくれているうちに見ておかねえと・・・ああなるぞ」
[又吉爺さんは涙もろい]とおれの頭にインプットされるのと同時に
「ああ、考えとく」
とだけ答えた。




