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死後の老人会  作者: 34
第三章 春でもないのに
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第三話 素直になれない人達

「さてと、じゃあそろそろ行くかな」

まるで買い物にでも行くように大崎爺さんは言った。

「そうか・・・まあ頑張れよ」

何人かが声をかける。流石にみんな普通に立って会話をするくらいには回復してきた。とは言え最後のシーンとしてはなかなかにひどいもんだ。

「ああ、みんなも飲み過ぎないようにな」

ほら、最後までこんなこと言われてる。

「さて・・・」

目を閉じたかと思うと驚くほどすっと消えた。ほんとにすっと消えるな。情がないのも理解できる。

「ウッ・・・オエッ」

「え?」

「オロロ・・・」

「ちょ・・・」

一斉に吐きだした。何事だ?

「あ~何とか間に合った・・・。」

いや、絵面的には何にも間に合ってないです。

「せめて最後くらいは明るく送りだそうと思ってな・・・みんなで吐きそうなのがまんしてたんだ」

全くこの人たちは。何をしても素直じゃない。あんまり寂しくないと言ったあの日、真夜中に酒を飲みながら涙を流していたことを知っている。

「・・・ゆっくり休んでください」

そう言って少しみんなから離れ、大崎爺さんの墓の前に向かった。

「・・・楽しんで生きてください みんな応援してますよ 吐きながらですけど ・・・ありがとうございました」

誰に聞かせるでもなく呟く。そこにはもういないことを知りながら。そして驚きながら。

一番素直じゃないのはおれかもしれない。結局本人に直接伝えることはできなかった。

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