仲間を助けに!
〈ユースの家〉
セツナは結己から渡された紙切れを見てみた。するとそこには
【ユースは悪いやつじゃない。】
と書かれていた。
(人のこと考えている場合じゃないでしょ!)
セツナは思う。
『セツナさん貴族のお屋敷にむかうのですよね?私も連れていってください!』
ユノハナがセツナに頼み込む。
『ダメよ。あなたは連れていけないわ。危険すぎる。』
『心配しなくても私は大丈夫です。武器の扱い方も武術も【陽】だって少しだけですが使えます!足手まといにはなりませんよ!』
ユノハナは必死に訴えた。
『ねぇ、ユノハナ。その【陽】ってのはなんなの?』
『連れていってくれたら教えてあげます。』
『フッ、まだ幼いのに取引上手ね。分かったわそんなに言うならいいわよ。』
セツナはユノハナの決意に答えた。
『ユノハナ、ここには武器はあるの?』
『はい、少ないですが剣が2つだけあります。』
『十分よ。』
『やっぱり貴族ともなれば戦いは避けられませんよね?』
ユノハナは控えめに聞いた。
『あいつらは私達一般人の話なんて聞く耳ももたないわ。武力行使で挑むしかない。』
厳しくセツナは言った。
『ですよね。』
(この幼さだ。極力戦いたくないのだろう。)
『私はセツナ=キゾアール。改めてよろしく、ユノハナ。』
『はい!よろしくお願いします!』
『この国は貴族のお屋敷がすぐそこで助かったわ。』
『今この状況ならいいと思いますが普段この町は貴族の監視下にあるので自由はあまり許されません。』
寂しげにユノハナは言った。
『ご、ごめん。そんなつもりじゃ、、、。』
『いえいえ、大丈夫です。』
〈貴族の屋敷門前〉
『正面から入るんですか!?』
『どうせどこにも入れる穴なんかないわ。』
『そうなんですね。なんかセツナさんって貴族のことについて詳しいですね!』
『ま、まぁ。』
セツナは気弱に答えた。
『ねぇ、ユノハナ。』
『なんですか?』
『いや、なんでもない。』
『?』
ユノハナはセツナが何を言おうとしたのかは分からなかった。
そして、門を開けた。