第19話 vsジャイアントトロール
オレと大剛はジャイアントトロールに向かって走った。
恐怖心はなく、逆に魔王への第一歩としてみていた。
大剛はトロールの近くにある巨岩に登り、トロールと顔を合わせた。
トロールがそのまま口を開くと喰べられてしまいそうだったが、大剛はそんな強敵相手に一歩も引かず大剣を構えた。
「ブサイクだな、お前。オレが整形してやるよ。ほら!!!」
大剛はそう言うとトロールの鼻を突き刺した。
『痛ぇえな~。怒ったぞぉ!! まずはお前からだぁ!』
トロールは大剛の体を掴むと強く握りしめた。
1トンはあろう握力が大剛の体を締め付ける。
「あぁぁああ、くっ!! 健太郎! 今のうちだ!!」
「よし任せろ! とりゃあぁあ」
オレはグローブでトロールの足を殴りまくった。
こっちの手が痛くなるほどだったが構わず殴った。
『痛ぁあい~もうお前を喰べることにしたぞ。いただきます!』
「ちょ、ちょっと待て!! 今のオレの攻撃だぞ! おいっ!」
「くっそ、健太郎!後は任せたぁあ!」
オレは殴るのを止め、巨岩に掛け登った。
トロールの大口に入れられそうな大剛を渾身の力で蹴り飛ばすとオレの右腕は大口の中にあった。
『いただきます』