第11話 一匹の犠牲
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「炎の強化魔法だ。こうなったからにはお前らに勝ち目はないぞ」
「知ったことか! いくぜぇ!!」
巨大大福は回転しながら方向転換し、再び赤くなったお相撲さんに向かっていった。
お相撲さんはかまわずラリアットの構えをした。
腕の筋肉がどんどん赤くなっていく。
体の赤さよりもっと濃い。
巨大大福との距離が一mほどになるとお相撲さんはラリアットをくりだした。
「お前もこれで終わりだ!」
「大丈夫だ! この一撃で決着をつける」
巨大ウサギの声から余裕が見られる。
再び両者がぶつかった。
しかし、さっきとは違い巨大大福がとばされた。
後ろにあった巨大な木にぶつかる。
「いってぇ。くっそー」
「大丈夫かい? このやろー! 僕とやるか!?」
道にできるのか?
「待ってくれ! ここはオレに任せて先にいけ!」
このウサギ……
「オレは友達を傷つけた奴は許さない。こいつはオレに任せていけ!」
オレはコイツをおいて逃げていいのか?
「いこうぜ。コイツの思いは無駄にできない」
「大剛くん! ウサ丸くんをおいていけないよ!」
「いきましょう」
「じゃあ先にいかせてもらう。死ぬなよ。あとで合流しようぜ」
「それでいい。ケンタウロ、すぐ追いつくから待ってろ!」
いくしかない。
ウサ丸の犠牲を無駄にしてはいけない。
よく考えたらコイツは見栄っ張りなだけで、いい奴なのか?
オレは誤解していたようだ。
オレ達は走った。
ここを切り抜けるためにウサ丸を犠牲にして。
「絶対追いつけ! ウサ丸!!」
「初めて名前で呼んでくれたな」
そういえばそうかもしれない。
「待てぇ! お前ら!!」
お相撲さんはオレ達の後を追ってきた。
「お前が待てよ。お前の相手はこのオレだ!」
「フッ、いいだろう。お前なかなか度胸あるじゃないか。決着つけようぜ!」
その先の話はわからない。
ウサ丸がどうやってお相撲さんと戦ったのか、どう思っていたのかはわからない。
オレ達はお相撲さんを切り抜け、先を急いだ。
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