第10話 逆転の技ウサボール
『私はダンジョン開発班に所属しております、【ガーゴイル】の『ピエール』でございます。』がなかなか好評です。
ありがとうございます。
ただのウサギじゃない?
ああ、これだけ腹立たしいウサギは初めてだ。
たしかにただのウサギじゃないな。
「ウサ吉! ウサ助! 融合だ!!」
「ウサ!!」
「ウサ!!」
融合できるのか?
こいつらが化け物だとオレはこのとき気づいた
三匹は丸くなり融合した。
大きな雪だるまの体のような丸になった。
おいしそうな大福だ。
すると雪だるまもどきに前足、後ろ足、耳、顔があらわれ、大きな一匹のウサギになった。
さっきの三十㎝ほどのウサギ達が融合し、一mほどになった。
「かわい~。どうしよう! この子連れて帰りたいぃ~」
彩乃、今はピンチな場面だよ。
「ひとまわり大きくなっただけじゃんか。そんなんでオレに勝てるのか?」
お相撲さんの言うとおり。
これで勝てるのか?
「勝てるさ。覚悟しろ、ウサボールだ!」
巨大ウサギは丸くなった。
まるで巨大な大福だ。
思わずかぶりつきたくなったが、ここで食べるのはもったいない。
巨大大福はその場で回転した。
その勢いはバイクのタイヤにも負けないほどだった。
回転音はしだいに大きくなり、その場で跳ね、お相撲さんに襲いかかった。
お相撲さんは来いと言わんばかりに受け止めの体勢をとった。
「いっけー!! ウサギさーん!」
道は興奮している。
完全に応援係りだ。
お相撲さんと巨大大福がぶつかった。
お相撲さんはしっかり受け止め必死に耐えるが、勢いを抑えきれずに、おされていく。
今まで余裕の表情を見せていたお相撲さんがおされている。
「くっ、このままでは…………まだ魔力は満タンじゃないがしかたない」
お相撲さんはボロボロになりながらも巨大大福をおしのけた。
「うおぉぉ!!!!」
お相撲さんが空にむかって叫ぶとその体から赤い煙のようなものがでてきた。
そして目が黄色から赤に変わった。
えー、今回の話はだいぶ前から考えていました。
次話もよろしくお願いします。