第5話「君のいない学校」
次の日
学校に来るといつもからかってくる愛芽の姿がなかった。何か遅れる理由でもあるんだろうと思い特に気にしなかった。
(.....)
(あれ?俺って愛芽がいないともしかしなくても...ぼっち?)
先生が教室に入ってきて
「今日の欠席者は愛芽さんだけかな?欠席連絡は来ているので問題は無いですね!」
などと言い始める...
(ぼっち...いや...友達を作ろう!)
朝の会で普通の人は眠気が取れずにぼーっとしている中俺はそんな決心をしていた。
そんな決心をしたのはいいんだが...
気づけば既に昼休みになっていた。
こんなに人と喋らないのは小説的にもまずいんじゃないか?と思いながら作戦を立てる
(作戦1:ご飯一緒に食べよう作戦
これは既に一緒に食べるグループが出来てしまっているので難しい...除外!
作戦2:一緒にスマホゲームしよう作戦
これも既に一緒にゲームするグループが出来てしまっているので難しい...除外!
作戦3:なし...諦める)
脳内で諦めるという結論が出た
(別に友達を無理に作る必要は無いもんな。)
そんなことを考えていると...
「ねぇ君!隣に座っていい?」
となりの席は愛芽だが休んでいるため空いている
その席に俺に話しかけてきた子が座る
「あの...」
ここで陰キャを発動しても何も変わらない、決心した俺は思い切ってその子に話しかける。
「俺と友達になんない?」
空気が凍る音が聞こえる
(そうだよな...まずはなんで隣の席に座ったのか質問するのが順序ってもんだよな...)
「ぷっ...あはは」
「第一声それ?面白いね君!いいよ友達になろう!」
(あれ?この人もしかしなくてもめちゃくちゃいい人?)
「俺の名前は大輔、鈴木大輔だ。実は話しかけようと思ってたんだけど常に周りに愛芽さんがいて話しかけずらかったんだよな」
「俺は零、よろしくな」
大輔は手を俺に出してくる
(これ?陽キャの中で流行ってるのか?)
とまぁ混乱しながらも俺も手を出す...
これなんか...何故か俺はこの後を予想出来てしまう...
「冷たっ!」
予想通り大輔が叫ぶ
なんかデジャブ感じるな...
「俺の手は普通により冷たくてな」
「お、おう、夏はかなり楽そうだな零...」
(言われてみれば今まで夏に暑さで苦労したことはなかったな)
と感じる
「テスト2日後だけど大輔って勉強したのか?」
(偏見だが、大輔は勉強が出来そうだからな...出来れば勉強を教えてもらいたい)
「俺か?全くもってやってないぞ?」
意外な返答に少し驚く
「そうなのか...テスト2日前だからやばいんだよなぁ」
「まじか?偏見で悪いが...零って真面目そうで勉強出来そうだし、ていうかそれで教えてもらおうと声かけたんだけど?」
(俺と全く同じことを考えていたのか...)
「一緒に生き残ろうな...」
高校はもちろん赤点があるので補習は必ず避けたい!増してはこの時期は文化祭準備に影響してくる
「ああ!」
ここに新たな友情が生まれた...