第2話「君の好きな花」
入学式初日を終えた俺は下校の準備をしていた。
「零、一緒に帰ろ〜」
先程会ったばかりなはずなのに、なぜかこんなに俺に絡んでくるため...俺は混乱してしまう。
てか...だれでも混乱するな...
「愛芽...少なくとも今日会ったばかりだよ?さすがに俺を信用しすぎじゃないか?」
「別にいいでしょ?さっ、帰りましょ!」
愛芽の勢いにそのまま乗ってしまい結局一緒に帰ることになった...
下校中...たまたま家が同じ方向なのか、愛芽とは帰り道が同じだった。
(正直かなり気まずいな...まず、女子と一緒に帰るのなんて幼なじみのあいつぐらいだったからな
普通に、意識しようとしなくても意識しちゃうだろこのシチュエーションは!)
「零はさ、好きな花とかあるの?」
愛芽がふと質問を俺にしてきた。
「好きな花か...”ヤブラン”とかかな?まぁ紫色が好きって言うのもあるけどな」
「愛芽はなんの花が好きなんだ?」
と質問をし返した
「う〜ん...特にない!」
きっぱりと言った愛芽に
(じゃあなんでこの質問したんだよ…)
と心の中でツッコミを入れる俺
後少しで家に着くところで...
ポツ...ポツ...
雨が降ってきた
(予報にはなかったがこれぐらいの小雨なら別にいいか)
そう思っていると、バサッという音が隣からした。
愛芽が折り畳み傘を開く音だった。
(予報になかったのに持っているなんて女子力高いんだなぁ)
「傘にしては少し小さいんじゃないか?」
ふと思った質問を愛芽に投げる。
「まぁ...折り畳み傘だしね」
その瞬間愛芽がにやりと笑う
「なに?傘入りたいの?」
「別にそういう訳じゃねえよ!」
間髪入れずにツッコミをする俺
「私の家あっちだから、また明日ね零!」
(ここまで来たらすぐ俺の家だから愛芽の家は近いのかもな...)と思いながら
「また明日な」
と愛芽を見送ったその直後あることを思い出す
(.......明日休みじゃん!)
こんなからかわれる学校生活が続くのだろうか?
そんな事を考えながら帰るのだった...