冒険者登録
「すみませーん。冒険者登録したいんですけど…」
「はい、かしこまりました。では、こちらの水晶玉に触れてください。その人にあったランクが出てくるので。」
「おいおい、ここは冒険者ギルドだぜ?お前みたいなガキが来る場所じゃねぇぞ?」
おお!テンプレ来たーーー‼
「あの…どなたですか…?」
「あ?俺か?俺はCランクのバッカスだ。お前はどうせF、いや良くてもE
ランクだろうよ!」
「ん~…どうでしょうね?えっと…水晶玉に触れば良いんですよね?」
「はい、お願いします」
「おい!俺を無視して話を進、め、るんじゃ、ねぇ…。」
「えっと、Sですね…」
は?S?
「え?Sですか?なにかの間違いでは?」
「そうだ!こんなガキがSランクなわけがねぇだろ⁉」
「し、しかし…水晶玉ではSランクと出ているので…。」
「そ、そんな馬鹿な…も、申し訳ない……先程のことは許していただきた
い…」
「そのことなら、気にしなくていいですよ。」
「あ、あのぉ」
「どうかしました?」
「ギルド長から…明日ギルド長室に来いとの呼び出しが…」
「え?何でですか?」
「わからないです。ただ明日来てくださいね。」
部屋戻ってきたけど……何しよう?
とりあえず…寝るか。
さて、おはようございます。
ギルド長室に行くか。
こんこんこん
「入ってくれ」
「失礼します。」
「君が陽翔君か」
「はい、そうです。」
「なぜ呼び出されたか分かるか?」
やべ、心あたりありすぎて逆に分かんねぇ
「い、いえ分かりません」
「では、最初からSランクとはどういうことだ?」
「それはこちらも聞きたいです…」
「では、私とお手合わせ願おう。」
「………はい?」
「だから、私と君がバトルだ。」
「これからどこに行くのですか?」
「闘技場だ。今日はたまたま新人冒険者の実力テストがあるからな、私が直々に実力を見よう」
「えっと…ギルドマスターのランクはなんですか?」
「私か?私はAランクだ」
しばらく歩いていると大きい建物が見えてきた…
「ほら見えてきたぞ、あれが闘技場だ」
「すっごい大きいですね」
感覚的にいうと東京ドームが10個分ぐらいかな?
「私は受付に言いに行くから、君は中に入っていなさい。あとで会いに行くからな。ところで、中には暴れるのが好きなやつがいるんだ。絡まれたら私の名を言ってくれ。ギルドマスターが連れてきたって。」
「分かりました」
「なら良い。くれぐれも気をつけてくれ。」
よっぽどそいつやばいやつなんだろうなぁ…まあ、僕はギルドで絡まれてるし?たくさん初心者いそうですし?大丈夫だと思いますけど?
「おいおい、なんだぁ?お前、ひょろひょろしててガリガリで弱そうだな!誰の連れだ?w」
はい、結局絡まれると
「ギルドマスターですよ」
「はあ?ギルドマスターだぁ?嘘をつくのもいいかげんにしろよ。つくならもっとマシな嘘をつけよな」
「お、おい…その子…さっきギルドで目立っていた子じゃないか…?」
「ああ?そういえば、似てるな…まあ、いい。ギルドマスターがどうこう言っていたが、そういう嘘をつくと捕まるんだぜ?侮辱罪でなぁ!」
「いや、本当なんですけど…ほら、これがギルドマスターの名刺です」
「なんだと?…い、いや、きっと偽装だ!嘘に違いねぇ!ここまで手の込んだ事をするとは…ほんとずる賢いやつだな!」
「おーい、陽翔。ここにいたか……だれだこいつ?」
「絶賛絡まれ中です。ギルドマスターのこと話したら、嘘だ、とか侮辱罪がどうこう、とか喚き散らしてました」
「なるほど…私が連れてきた人だぞ?そっちの発言のほうが侮辱罪に当たるんではないか?それとも私が言っておこうか?」
「いえ、本当にすみませんでした!何卒おゆるしを!」
「今回は見逃すが、今後こういったことがないように。それと陽翔には謝れよ」
「本当に済まない…心から謝罪する」
「いいですよ。気にしてませんし、慣れっこなので」
「すまなかった。では、これで失礼します」
そう言って足早に逃げていった
「まったく…君はなんでこんな短時間でこんなに絡まれるんだ⁉もはやおかしいだろ!」
「あはは…すみません」
「気を取り直して…ごほん…まず私達はラストに戦うことになった。武器は木刀、殺すのは禁止だが、腕や四肢を切り落とすのは許されている。魔法での攻撃はあり、先に相手を戦闘不能にした方が勝ちだ。何か質問はあるか?」
「あの、観客っているのでしょうか?」
「いるぞ、大勢な。ほぼ満席と言っても過言ではない。他には?」
「場外とかはあるんですか?」
「今回はないぞ、全てが戦場だ。もう大丈夫か?」
「はい」
「それじゃあ、控室に行くぞ!そこにはモニターがあるから戦いの様子を見ることもできるし隣に訓練する場所もあるから戦術を練ることもできるぞ。」
「なるほど…すごいですね!僕は、戦いの様子を見ていましょうかね」
「それじゃあ、一緒に見るか」
10分後…
「下手ですね」
「そう言うな。初心者なんだから」
「魔法を使うタイミングが変ですし攻め方も下手です」
「確かに下手だな…魔物と戦って勝てるのか?」
「あの人の相手をしている試験監督のは何ランクなんですか?」
「Dランクだな。ていうか俺以外の試験監督は全員Dだぞ?」
「えっ」
「まあ、落ち着いてやれば良い」
1時間後…
「まだですか?」
「この試合がラストだな」
「観客はまだいるんですか?」
「いるぞ。試合の順番を知ってるからな。俺等の試合を待ってるんだろう」
「まじか…」
「ふむ…あいつはセンスないな。もう決着つくぞ」
「僕の番か…」
『さあ!次は皆さんお待ちかね!ギルドマスターと謎の少年!陽翔の試合です!両者木刀を手にしてください!』
「ギルドマスター、手加減無しで来てください」
「良いだろう、一瞬っで決着をつけれてやろう!『身体強化』!」
「最初から本気かよ!」「龍も消し飛ばせるほどの威力があるの
に…」って言う声が聞こえてきたけど食らって大丈夫か?
そして、陽翔を除いたすべての人が驚いた。なぜなら…陽翔に触れた瞬間木刀が粉々になったからだ。
「本気で来てと言ったじゃないですか!来ないなら…こっちから行きますよ?」
とりあえず、両手両足を切ってっと
「どうします?降参しますか?」
「ああ…降参する…認めてやろう…お前は正式にSランクだ!」
「ありがとうございます。ところでSランク冒険者って何人いるんですか?」
「お前を除いたら3人だけだ」
「そうですか…それじゃあ僕は宿に戻らせてもらいますね」
「あ、ちょっと待っ…」
「それじゃあ!」