黒竜(ヒドラ)との戦い
短めです
目を覚ますとみんなが戦っていた。黒竜が吠えると大きく地面が凹む。普通の冒険者にとっては、回避不可能な速度だが、Sランク冒険者にとっては、亀よりも遅く感じる程度だ。当たりはしないため、ダメージはないが、巨体すぎるが故、ダメージが入っていない様に見える。
「どうする?ダメージを喰らわないけど、ダメージを入れることもできないよ?」
「うん、もう魔力が……」
「陽翔が起きればどうとでもなる!踏ん張ろう!」
みんな、耐えてくれたんだ。よかった!
「みんな!お待たせ!」
「「「陽翔!!」」」
「あとは僕に任せて!」
〔グオオオオォォォォ!!〕
黒竜から、九つのブレスが放たれる。その全てを……
「『零楼・闇龗』」
撃ち落とす。その剣技に触れたブレスは消滅する。それだけにとどまらず、振った剣からは黒色の斬撃が飛び回り、黒竜の体を傷つけ、その首の1つを切り落とすことに成功した
「よし!」
「え?」
「強くない?」
「嘘だろ……?」
さっきまでよりもずっと強くなった陽翔をみて、パーティーメンバーは絶句していた
「なぁ、ゼウス。こいつ殺していいの?」
『構わんぞ。だが、魔石だけ残しておいてくれ』
「分かった。本気で行くぞ」
陽翔は力を貯め始める
〔グオオオオォォォォ!!〕
黒竜のブレスが直撃するが、虹色に輝く膜に妨げられる。
「あれは……俺の!?」
「神聖スキル『ジブラルタル』の効果だ。登録した者のスキルを使うことができる。つまり、僕には攻撃が効かないってこと!」
それでも尚、黒竜はブレスをはき続ける。自我そのものが壊れているのか……それとも何かを伝えようとしているのか……
「『鬼神力解放』『英雄覇気』『英雄破道』発動。剣に、神聖魔法『雷空滅裂』を『チャージ』。さらに、『エンチャント8属性』。」
この星が耐えられるか不安になるレベルに膨れ上がる気配。そして、陽翔は力を解放する。
「『零楼・闇龗』!!」
黒竜は全身全てを細切れにされ、ボトボトボトと、肉が地面に落ちる音が響く。その中に、拳大ほどの大きさの紫色に輝く、球体を見つけた。
「それで、ゼウスはなんでこれが欲しいの?」
『やりたい事があるんじゃ!その前に『並列存在』を使ってくれぬか?』
「分かった。『並列存在』」
「よしよし、ついに、現世に還元する事ができたぞ!この日をどんなに待ち侘びていたか……」
「ほら!何がしたいの?」
「そうじゃった。『再誕』」
すると、魔石が割れ始め、中から小さな黒竜が生まれた。
「え?なんで?復活させるの?」
「人とは、お互い争う生き物だ。平和な日常が続いていたら、人同士の争いで世界は滅びる。それを防ぐためにも、黒竜という高みの存在を解き放つ事で、団結力が生まれるという事だ。」
「なるほどね。じゃあ、ベヒーモスとリヴァイアサンはどうするの?」
「やつらは、生きとるぞ。数時間すれば元の場所に復活する。黒竜だけは、ポセイドンによって改造されてたからこうするしかなかったのじゃ。」
〔キューー?〕
かわいい。なんだこれ
「気をつけろよ。幼体とはいえ、Aランク冒険者までは、手も足も出ないからな?」
まじですか?こんな小さいのに?逆に脅威じゃない?この小ささでそんなに強いんでしょ?
「まぁ、お主の考えていることはわかるがな。団結すれば追い払うことぐらいはできる」
「なら、いいのか……?」
「フハハハハハ!!よく来たなあ!下郎どもが!!」
「お、お前は!!」
まぁ、誰が登場するのか、勘のいい皆さまなら察していることでしょう!




