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野良猫

作者: 東條みかげ

今の私はまるで廃人だ。

毎日ほとんど眠れずに、何をするでもなく天井を見上げて横になっている。

食べる事だけは忘れずに、いつものように過食する自分に頭にくる。

動く気がないならば食べる気もなくせ、と言いたい。

どうにも上手くいかないものだ。



雪が降り積もった夜明け前。

今日はいつもよりダルさが少なかったので、パジャマだけで庭に出た。

雪降る中たたずんでいると、いつの間にかすぐそこに野良猫がいた。

いつもお腹がすいた時にだけ我が家にやってくる野良猫だった。



友達に「真美って家に来る野良猫みたい」と言われたことがある。

猫は好きだから、褒め言葉と受け止めれば良いのかと思った。


「絶対に懐きはしないんだよ。必要な時にだけ頼ってくる。いつも1人でフラフラどっか行って

その場その場で優しくしてくれる人に少しの間付いていくんだ。

色んな場所に人脈を広げて、逃げ場を確保しておく。どこかで突き放されても次の場所を持ってる」


ふーん。

そう思いながら「猫なのに褒め言葉じゃないやん!」と笑いとばした。




この目の前にいる猫が、他の家で甘えてるところを見た事は何度となくある。

そのとき何だか無性に孤独感を味わった。


あ、あの子には自分がいなくても良いじゃない。


なんだ、あそこにいる方が幸せそうだ。


君は罪深いね。





浅く付き合うのは、馴れ合うのが嫌いだからじゃない。

馴れすぎてしまうのが怖いだけ。

依存してしまうのが嫌なだけ。

独占欲が強くなるのが嫌なだけ。


「結局、真美は誰の事も信用はしてないんだろう?」

そう言った友達とは、それ以来会っていない。


信用、してもいいの?

私の全てを受け入れて、君はそれでも私と今まで通りに接してくれるの?

今まで私の話したことを受け入れて付き合いを続けてくれる人は、


いない


だったら最初から言わなければ良いじゃない。

そうすれば、いつまでも一緒にバカやっていられるのだから。


「何で話してくれないの?何でも聞くよ」

「僕はどんな君でも、真美という人間が大好きだ」


その言葉を何度君から聞いただろうか。

その度に笑ってごまかす私を見て、安心したような顔をしたね。

決して深くは聞かなかった。

賢かったよ、君は。



でもある日私は耐えられなくなったんだ。

誰かにぶちまけたくなって、遠まわしに辛いと訴えたんだ。

愚痴をこぼす私に向かって君は言った。


「らしくないね」と。


最初のその一言で、私は

「あぁ、ダメだ」と感じたんだ。

話したことを全て後悔した。

「結局は愚痴なんて言うべきじゃなかった」と。


その言葉の後に何を言われても聞く気にはなれなかった。


それから数日後、

学校で君が他の人にも同じ事を言ってるところを私は聞いたんだ。


「僕はどんな君でも、君という人間が大好きだから何でも話して大丈夫だよ」


あぁ。私だけじゃなかったのね。

君は誰にでも優しいんだった。

私の存在はほんの欠片、もしくはそれほどもなかったのかもしれない。


私は君からのメールに返信をしなかった。

1回だけ。

それからメールがくることはなかった。


人のところを行き来する君のほうが、よっぽど猫みたいだよ。

そう言ってやりたかった。



廃人と化した私と関わるものはいなかった。

外に出ないから当然とも言えるのだが、携帯電話が鳴ることもない。


雪が降る中、横になった。


連絡なんて来るはずがない。

電話帳は0件。

自分で消したんだ。


人が私を見捨てたわけじゃない。

私が人を見捨てていた。


まるで自分が被害者のように装って、誰も私の中に踏み込ませずに。

友達を見捨てては新しい出会いを求め、新しい関係を築く。


ただ、私は人に必要とされたいがためにキャラを創り、

私以外に親しい人がいると分かれば自分は必要のない人間だと思う。


もう何もかもが面倒だ。

自分という人間が面倒だ。

こんな奴が自分の友達だったら嫌だ。


あぁ、君の言うとおり・・・

人という逃げ場を用意していた。

人を信用もしていなかった。


体の感覚が麻痺していく中で

近くにいたあの猫が去っていくのが分かった。

私のところに居ても何も得られないものね。

賢いよ、君は。



雪が降り始めると同時に夜が明けてきた。

家族の起きる音もかすかに聞こえてくる。

その音が段々と遠くなり、目は重たくなってくる。

どうやら最近眠れなった日々から、ようやく解放されるようだ。

グダグダになってしまった気がします。

まとまっていなような、最終的に何が言いたいのか。

次に書くときはもっと頑張ろうと思います。

読んでくださってありがとうございました。

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