第四十三話 何でも屋休業
何でも屋のビンテージ感溢れるお洒落なドアに貼られた「しばらく休業します」の貼紙が風に揺れていた―。
第四十三話 何でも屋休業
「黒豹、マジで言ってんの…?」
居間でワトソンが黒豹を驚いたように見る。
「もうそうするしかないからそうする」
黒豹は苦虫を嚙み潰したような顔をした。
「翠玉は闇医者に預ける。それで適宜巻き戻してもらいながら時間を稼ぐ。一回巻き戻してもこれに限ってはおそらく根本的な解決にはならない。だから翠玉が死にそうになったら何回でも巻き戻してもらう。その間に俺たちは材料を揃える。場合によっちゃあしばらくここを離れる。そのために何でも屋は休業」
「でも黒豹、その間収入はどうすんの…?僕たち、とてもじゃないけど仕事休んでも生活が成り立つほどの貯蓄はないよ?」
「…ゼロじゃない。あることにはある。二か月やそこらなら凌げないこともない」
「…⁉そんなお金、どこから⁉」
「実は積み立ててた。貰った報酬の半分を貯蓄に回してた。実際、その貯蓄にお世話になったことも何度かあった。そうじゃなきゃ俺たちは今頃餓死してる」
「…さすがだね、黒豹」
「そう言うのは全部終わってからだ、ワトソン。とりあえず『月の涙』と『湖の溜息』と『人魚の石』の正体を突き止めるぞ」




