第四十一話 並行世界解除
砂時計の最後の一粒が落ち、黒豹は並行世界が崩壊し始めたのを感じた。
ここまで来てしくじるわけには…!
黒豹は必死に手を伸ばして一冊の本を掴む。その瞬間、並行時計にヒビが入り砕け散ると同時に世界が完全に消えた。
第四十一話 並行世界解除
「黒豹!」
ワトソンが翠玉の部屋のドアをノックもせず勢いよく開ける。
「あ?ああ…」
並行世界が崩壊した衝撃で床にうずくまっていた黒豹は寝ぼけたようにワトソンを見上げる。
「本、本…」
黒豹は這いつくばって自分が持ってきたはずの本を探す。黒豹がバサッと床に垂れ下がった翠玉の布団の裏を見る。そこにはいかにも古そうな黄ばんだ紙の本が転がっている。黒豹はそれを拾い上げると窓の方を向いてその本の背表紙に書いてある本の題名を読み上げる。
「魔法生物大全」
パシッ。黒豹とワトソンは無言でハイタッチをする。
「やったね…」
「ああ…」
「じゃあ、これで翠玉さんを助けるとしますか」
ワトソンが黒豹に本を開くように促す。黒豹は本を開いて目次を確認すると「百顔姫」の項目を開く。ふたりはそのページに書かれている字を食い入るように見つめる。
「…え゛ッ」
間もなくして二人の顔から先程までの安堵の色はなくなった。




