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コント 琵琶湖の孤独なイルカ

作者: 風音紫杏

●信長さまー!(フンドシ一丁で)


○何事じゃ?(サングラス&フンドシ一丁&浮き輪で水面に浮きながら)


●水遊び中失礼いたします。信長様特注の南蛮渡来のお品、美煮伊瑠ビニール製の海豚イルカ

流されました!!!(顔面蒼白で)


○何じゃと!?くそっ、折角ワシが数分前まで使っていた品をサル(秀吉)にも使わせてやったというのに!(フンドシの布の端を両手で持って歯で食いしばりながら)


●ほら、見てください!あそこです!(遥か彷徨の海豚を指さしながら)


○なにい~!?ここですらワシの背が立たんというのに、さらに遠くへと流れただと!?海豚ちゃんよぉ~帰ってきておくれよぉ~(号泣しながら)


△殿!ご安心ください!!(フンドシ一丁で片膝をつきながら)


○おお、光秀。何か案でもあるのか?(一瞬にして陸へ戻ってから)


△風向きが変わった頃を見計らい、家臣総出で捜索隊を結成いたす次第。必ずや、見つけて御覧に入れましょうぞ。(秀吉のいる方を睨みながら)


○よし、任せたぞ!しかし、このようなことをしでかしたサル(秀吉)には、どのような罰を与えたものかのう…(砂浜に胡坐をかいて)


△逆さ吊りや、水責めでは如何でしょう?(曇り無き瞳で)


〇そうじゃな…サル(秀吉)の処置はお主に一任する。頼んだぞ。(悪役っぽい笑みを浮かべて)


△承知致しましてございまする!(心から嬉しそうな笑みを浮かべて)


◎ちょっと待ったー!!!(顔を真っ赤にして)


〇止まれ、この戯けが!ワシの海豚ちゃんを流しておきながら、何の罰を受けずに済むと思ってはおるまいな!?(鬼の形相で)


◎ははっ。此度の騒動の比はそれがしにございまする。如何様なお咎めも甘んじて受け入れる次第。(顔を真っ青にして←ちょっと待て、さっき真っ赤じゃなかったか?)


〇ならば文句はあるまい。大人しく光秀へ付いて行くのだ。(悪代官のような笑みを浮かべて←お前、代官よりも地位も立場も上だろ)


◎しかしながら、申し上げます。殿の海豚様は、水に浮くよう、ギリギリまで軽量化された玩具にございます。故に、ほんの少し風が吹いただけでも、あっという間に流されてしまうのでございます。(涙目で)


〇それが何だ?言い訳なら聞かんぞ。(完全に据わった目つきで)


◎いいえ、そうではございませぬ!(首を千切れんばかりに左右へ振りながら)


〇ならば何じゃ?(ギロリと睨んで)


◎光秀殿が、とんでもないほら吹きだということを、お伝えしたい所存でございます!(鼓膜が破れそうになるほどの大声で)


△はぁ!?貴殿、何を言っておられるのかお分かりか!?(何を言っているんだこの野郎的な表情で)


○どういうことだ!(激しく狼狽した様子で)


◎先ほど申しましたように、殿の海豚様は少し風が吹いただけでもあっという間に流されてしまいます。そのため、今のような強風の中では、何か尖ったものに勢い良く衝突し、ボロボロになってしまう可能性が高いかと!(目を怪しくギラつかせながら)


○な、何!(意表を突かれたという表情で)


△何をたわけたことを!(激怒)


◎そのため、某を罰するというならば、不可能な提案をし、殿に要らぬ期待をさせた光秀殿共々罰して頂

きたい!(下を向き、人からは見えない口元に邪悪感マシマシの笑みを浮かべて)


△貴殿、減らず口はいい加減にしてもらおう!(激怒+歯ぎしり)


〇成程…サル、お主の言い分にも一理ある。光秀共々罰することとしよう。(決意の表情)


△と、殿…?(激しくショックを受けたような表情で)


〇黒丸モブ助よ、この二人を連れていけ!(●の名前が初めて出たね)


●殿、某にも案がございまする!(やっとこさ登場できた喜びの表情で)


〇何じゃ?聞いてやろう。(大分ストレスが溜まった表情で)


●殿の海豚の追悼のための絵草紙を書かせては如何でしょうか。(至って冷静に)


〇海豚ちゃんの、追悼…?(毒気を抜かれたような表情で)


●いかにも。また、見るも無惨な姿となった海豚様と信長様の感動の再開…といったストーリー仕立てにすることで、海豚様も浮かばれるかと。(至って真面目に)


〇そうじゃな…無暗に部下を罰しては、極楽浄土にいる海豚ちゃんにも怒られてしまうな…よし、黒丸モブ助よ、その案、採用してやろうではないか!光秀、サル。お前たちの処罰も取りやめじゃ!(晴れ晴れとした表情で)


◎ははあーっ。ありがたき次第。(薄っぺらい笑みを貼り付けて)


△寛大な処置、心より感謝いたします。(何か釈然としないものがあるが、それをおくびにも出さずに)


〇さあ、城へ戻るぞ!フンドシだけで立ち話はちと冷えるわい。(鼻水垂らして)


●△◎ははっ、お供いたします!!!(全員例外なくフンドシ一丁で片膝をついて)


かくして、一行はアヅーチ城へと帰っていったのだった。

しかしながら、誰一人として気付かなかった。

既に風向きは変わっており、件の海豚が浜辺へと帰ってきていたことを。

しかも、奇跡的なことに、海豚は無傷であったことを。

彼らは、永遠に知ることはないのだ――


♡折角頑張って帰ってきたのに置いてきぼりかよ!?



CAST


●:黒丸モブ助。信長の家臣だということ以外不明。


○:織田信長。説明がほぼほぼ要らない人。危機的状況で何故か舞を舞いたがる。舞を舞うことで危機管理能力を研ぎ澄ます特殊な思考回路の持ち主かもしれない。


△明智光秀。こちらも説明がほぼほぼ要らないに等しい人。真面目な努力家。ストレスが爆発して本能寺を焼いた。孤立しがち。


◎:説明がほぼほぼ要らない人其参。見た目がめっちゃサルっぽい。悪知恵がよく働く。叩き上げ。信長がついた天下餅をこねこねしたらしい。


♡:信長特注の海豚。南蛮渡来の美煮伊瑠製。壊れやすいが今回は根性で障害物競走を根性で突破した猛者。今回台詞一回のみ。


ノリと勢いで書きました。

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