能力値
1番近い場所を目的地に設定し、馬車に乗り込み進む一行は未だに興奮冷めやらぬ状態であった。
「拙者らが過ごしてたキャットももう見えなくなりそうだな。なんかこう、冒険に出た!ってなるな!」
アザーは改めて全員揃って出発できたことの喜びをかみしめていた。
クロとリログは御者台から荷台を見て、アザーが喜んでいる姿を確認していた。
セイカはやや後方に座り外の景色を見ながらアザーの話に相槌をうっている。ノベーはアザーと一緒に盛り上がっていた。
ちなみに、御者を務められるのはクロしかいなかったため、リログが隣で学んでいるのである。
「そういえば、みんなスキルはどうだった?」
アザーが全員に発動したスキルの話題を振った。自身も含め、全体で共有したいと考えたのだ。
「俺はこんな感じやったぞ?」
アザーの質問に、先ず答えたのはリログであった。
プロフィール
名前:レパーント・リログ
年齢:15
スキル:焔
武器:大剣
備考:基本的にやる気に満ち溢れている。しかし、スイッチが切れると無気力に。
リログに続き、クロも質問に答える。
プロフィール
名前:クロ
年齢15
スキル:重力、(闇)
武器:リング
備考:冷静沈着で強か。読書が趣味で色々な本を買い漁る。
「クロさん、スキル2つ持ちなんですね!」
クロのステータス表を見て、ノベーが驚きの声をあげた。
「どうなんだろ?僕の元々の能力でもある重力が闇に近いからこう表記されたんじゃないのかな?」
クロも自身のスキルについては疑問に思っていた。1つだけ、心当たりはあったが笑顔を取り繕い誤魔化す選択をしたのである。
「そういうノベーはどうなんだい?」
クロはノベーに問いかける。ノベーは自分のステータスを皆に見せるため開く。
プロフィール
名前:アルマーダ・ノベー
年齢:15
スキル:風
武器:盾
備考:明るく元気。何か一つ、興味が出たことを極める傾向にある。
ノベーの耐性の優秀さを見て、一同は驚愕していた。また、耐性の高さと特性の頑丈がよくリンクしているものだと感嘆もした。
そして、セイカもステータスを表示した。
プロフィール
名前:セイカ
年齢:15
スキル:氷雪
武器:指輪
備考:不思議。基本的にどんなことでもできる天才。
セイカのステータスを見ると、技を既に2つも覚えており、一同は質問せずにはいられなかった。
「なんで技2つも覚えてんの!?」
「流石というかなんというか。」
「どこかで習得したんですかい?」
一同の質問にセイカはただ一言、
「…最初から?」
とだけ答えた。
「最初から2つって、天才か!!」
アザーはまたも突っ込まずにはいられなかったようである。
そして最後にアザーがステータスを表示した。
プロフィール
名前:バルドル・アザー
年齢15
スキル:光
武器:短剣
備考:自分の中で強い信念を持っている。自由がモットー。
光のスキルを有する人間はごく稀であり、神イザナに愛された者のみとされているため、アザーのステータスを見て、一同は興味の視線を向ける。
「すごいね、アザー。神に愛されてるなんて。」
「…意外。」
「まさかすぎてちょっとビビったわ。」
「アザーさんが居れば、魔王軍が来ても、伝説の悪魔ミリィが来てもへっちゃらですね!ちなみに、どんな技が使えるんですかい?」
皆口々に感想を述べた。そして、ノベーの質問に対する答えに心を躍らせながら期待して待っている。
その視線に気づき、少し言いにくそうにアザーは答えた。
「…技は拙者の体が光る能力。」
アザーの答えを聞き、一同が言葉を無くしたのは言うまでもないことである。