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ペンタグラム  作者: 白絵
魔王軍との接触編
14/16

とある男


夜が明けて、また馬車を走らせて数時間、一行は目的地でもあるラビットという小さな村に到着した。大きな木が中心に立っており、村はそれを囲う形で形成されている。村の前には大きな広場があり、スミとヒロを繋ぐ場所も用意されていた。


停泊の許可を得るため、一言声をかけようと住人を探していたのだが、村の外には誰も見当たらない状態であった。


馬車を降り、とりあえずスミとヒロの2頭の馬を繋いだ一行は辺りを見渡していた。


「誰もいねぇのか?この村?」


「そんなことはないはずだよ。作物が育っているし、それに、煙草の臭いもするからね。」


「どっかから見てるんやろな、これは。」


違和感を感じていた一行の前に、1人の男が現れた。その男は30歳くらいの見た目であり、ダル着で腰にグローブをぶら下げていた。グローブは指が出るタイプで、甲の部分には装飾が施されているのが見て取れる。また、佇まいからただ者ではない強さを感じた。その男は一行の前に現れるなり煙草にマッチで火をつけ、話しかけてきた。


「カッカッカッ、ご明察だ。みんな警戒してんだよ。略奪、征服、蹂躙。人も魔物も変わらず弱いもんのところへ来るからな。名前と目的は?それ次第なら歓迎するぜ?」


「拙者の名前はバルドル・アザー、この世界で1番すごいやつになって、すごいことをする男だ!」


アザーの自己紹介を聞き、1人の男は笑った。咥えていた煙草の火を消し、持っていた入れ物にしまうと目付きが変わる。


「カッカッカッ、そうか。歓迎するぜ?俺なりのな!!」


男はそういうと一行に襲いかかった。

一行は即座に臨戦態勢を取り、迎え撃つ。


その男は素手の一撃でリログを殴り飛ばし、クロを蹴飛ばした。

視線がリログとクロにいっている間に、アザーは攻撃を仕掛ける。


「拙者の仲間に何してくれてんだ!フラッシュ!!!」


アザーはフラッシュを発動した状態で男に殴り掛かる。男はアザーの攻撃を足蹴で逸らし、アザーを包む光が消えたところに拳を入れた。

アザーが吹き飛ばされたタイミングでセイカが技を発動する。

「雪の華!」

セイカの放つ技が男を凍てつかせようとするが、男はセイカの技を瞬時に理解し、躱した。

その躱した瞬間を起き上がっていたクロとリログが狙う。


「よくもやってくれたな!ヒート・スラッシュ改め、焔斬!!!」


リログが男の着地を狙い、焔を纏わせた一撃を入れる。しかし、これもギリギリのところで躱し、拳を叩き込む。

男がリログに攻撃したために生じた死角からクロが技を発動し、攻撃する。


「もらった!グラビゴウ改め、引波九斗(インパクト)!!!」


激しい重力の衝撃波が男を捕える直前、男が体を捻り、クロの死角から飛んできた蹴りがクロを捕え、当たる寸前で蹴飛ばされる。


「雪椿!」


クロを蹴飛ばした男にセイカが無数の氷の刃を放ち攻撃する。

降り注ぐ氷の刃を男は全て避け、攻撃直後のセイカに拳を入れようとする。

その攻撃を予測したノベーが男の拳を盾で防ぎ、カウンターを仕掛けた。


「強烈すぎますよぉ。けど、これでも喰らってください!辻風!!!」


ノベーは技を発動する。ノベーの周りを囲むように風が立ち篭めるが、男は立ち篭める風と真逆に回転し、ノベーの技を打ち消した。そしてすかさず連撃を入れる。

最初は耐えていたノベーも連続して繰り出される攻撃に耐えきれず、セイカ諸共ぶっ飛ばされてしまう。


「これで終いだ。」


全員を制圧したと思った男は煙草を咥えようとする。


「まだ終わりじゃない!オーロラ・ヒール!!!」


ほとんど戦闘不能となった5人に、エナの回復技が行き渡り、立ち上がる。そして、今度は一斉に攻撃を仕掛けた。


「終わるのはお前だ!エーリス・ライト!!!」


引波九斗(インパクト)!!!」


「焔斬!!!」


「雪椿!」


「辻風!!!」


全員の攻撃を見て、男はまた笑った。


「カッカッカッ、想像以上だ!見せてやるよ、俺の技を。真空波!!!」


男は拳を前に突き出し、技を発動した。放たれた技は空気を揺らし、一行に激しい衝撃を与える。


男の技を喰らった一行はその場に倒れ、気絶した。これが一行にとって初めての敗北となった。


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