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魔界事変00 『始まりの話』

 これは遠い遠いはるか昔、先人の遺した歴史物語や叙事詩に語られる話だ。


 ある時、世界の「せ」の字も無い真っ白な無の世界に『神』がいたのだという。


 果たして何もない世界の中でどこで生まれ、どこから来て、どうやって現れたかはこの際どうでもいい。

既存の言語では説明できないしそんなことは重要ではないからだ。


 とにかく、彼はその真っ白な世界を2つに割った。神の領域たる霊界と我ら「人間」が生きる地、物質界にだ。なぜそうしたか?だれも知らないことを誰かに聞くものではないぞ若造。


 ともあれ彼は彼の手法で世界を作り始めたのだ。どこかで言うところの「国造り」だ。まず彼は霊界に「光」を、そして物質界には「光」に加えて「闇」の概念も創出し昼と夜を作り、空を、大地、海を造った。そして最後にを「生命」を生み出した。物質界には地を蹴って生きる獣、空を飛ぶ鳥、水の中でいきる魚で溢れかえり、日の光を糧にする植物が生い茂り美しい果実を実らせ、そして最後に「人間」が創造された。


 さて、人間はとある点で他の生物とは一線を画していたのだ。『意思』の存在だ。

この『意思』は原始の人間に未来永劫続いていくであろう罪を負わせたと言われている。


 その結果、人間は他の生物と同じように、共に生きていかなければならなくなったのだ。


 神はその中で生きていけるように『教え』を彼らに伝えた。『教え』は『信仰』となり、それによって人間たちの間に秩序が生まれた・・・


・・・ように見えたのは初めのうちだけだった。


 彼らの『意思』はやがて『欲望』、『悪意』へと分岐し、信仰は踏みにじられ、秩序が乱れた。これが物質界が『混沌の世界』と称されるようになった理由だ。


 信仰心からも純粋な『想い』は消え失せ、やがて『欲望』へと姿を変えた。


 その『欲望』に毒され力衰えた神は残った力で後に『天使』と呼ばれる種族を創造し、また邪悪な魂を隔てておくための第三の世界、『闇の世界』を作り、長い眠りについた。


 天使たちは神から賜った使命をある種の苛烈さ、厳格さを以て遂行し続けた。


 人間の中にはこれを良しとしないものも現れ、天使の力の届かない『闇の世界』に逃亡するものも現れた。


 彼らこそが、我ら魔族の先祖だ。


 先祖が造った国も今や数え1000年。なんと喜ばしいことではないか。


 これからどう世界が動いていくのか、見ものではないかね?


ん?もう行くのかね?どうせいつも暇だから、気が向いたら来い。じゃな。








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― 新着の感想 ―
[一言] 叙事詩的な作品ですね。先を楽しみにしています。
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