一人目
横に大き男が手を上げて立っていた
「何をしに来た!」
「えっとその、雨が降ってきて雨宿りをと…一晩居させて貰えませんか?」
「断る。寝首をかかれたくないからな!」
「…そうですよね、すいません出ていきます」
「ちょっと新時!」
「…わーかった、今夜一晩だけなら良いぞ」
「本当ですか!ありがとうございます、自分は芳樹です」
「俺は斎藤新時よろしく」
それぞれ着替え終わって
「本当にありがとうございます新時さん!」
「いや良いよ、お礼なら京子に言ってくれ」
「本当にありがとうございます」
「いいわよ」
「ところで新時さん、ガイスターズOってやってますか?」
「ガイスターズオー?ってなに?」
「ガイスターてっ言うボードゲームのオンラインだ、それとやってるよ」
「ユーザー名SAITOUですか?」
「ああ、まあ」
「凄い!世界ランカーじゃあないですか!」
「最近ログインしてないけど」
「えっちょっとなに?もっと詳しく」
「だぁーもう、恥ずかしいから却下だ!寝るっ」
「…きて」
「ん〰」
「お…て」
「ムゥー」
「起きて!」
「どわぁ!なんだよ」
「芳樹と私達のカバンが無いの!」
「うわ、マジか、奴がいつ出てったかわかるか?」
「解らないわ、ただ私が一回起きた時まだ6:00~7:00だったかしら?まだ雨が降ってたわ」
「そうか、今何時かわかるか?」
「ちょっとまってね」
そう言うと京子は外に出て木の棒を地面に刺した
「日時計か」
「ええ、今8時くらいね」
「そうか、じゃあ追っかけるか」
「何処にいるか解るの?」
「ああ、今地面は雨上がりでぬかるんでいる、それに奴はあの見た目どうり体重が重いだろう、少し探せば…おっあったあった」
「何が?」
「奴の足跡だ、これを追えば直追い付くだろう、いくぞ」
「ええ!」
走って30分ほどしたところで
「見つけた!」
奴を、芳樹を見つけた幸いまだ見つかっていないようだった
「お前はそこら辺に隠れてろ」
奴のポケットから見えているハンドル
〈恐らくナイフだ、行けるな〉
「おう、芳樹そんなに担いでどこに行くんだ?」
芳樹はビクッとしてこちらを向いた
「俺達の荷物を返してもらうぞ」
「ふん、返すわけが無いじゃないか、こいつで殺してやる」
奴がポケットからナイフを取り出した
〈まずい、投げナイフか〉
「ふふふ、こんなこともあろうかとペーパーナイフで練習してて良かったよ、動いたら投げるよ」
〈ペーパーナイフ…ならば行けるか?いや行く〉
俺は正面から突っ込んでいく
「そうかい、じゃあ串刺しにしてやるよ!」
芳樹の放ったナイフは腕に当たった…ハンドルが
「ちっ」
その隙に俺は奴との間を縮めようとした瞬間足に激痛が走った
「ぐっ」
足にはナイフが刺さっていた
「下手投げか…」
「死ねぇ!」
もうダメかと思った瞬間
「あぁぁぁぁぁ」
どさぁ
「はぁはぁ」
奴は芳樹は足を滑らせ崖の下に落ちていた
「たっ…たすかった」
俺は側に落ちていたナイフを拾い上げ
「悪く思うなよ、先に裏切ったのはそっちだ」
俺は崖の下にいた芳樹に向かってナイフを落とした
その瞬間アナウンスが流れた
[大錐 芳樹さんが死亡しました残りサバイバーは八人になりました]