ずっとあなたがすきでした―①―
せっかくのパラレルなので、こんなのもどうかなと思って。完全パラレルですのでご了承くださいませ。
今日義兄が結婚する。
華やかに、そして幸せそうに。
愛おしく見つめる先にいるのは、私じゃない。
義兄が好きだった。
でも、私の恋が叶う日はもう来ない。
* * * * * * * * * * *
「…ゅい…唯、どうかしたの?」
はっと意識を浮上させる。私の隣では、顔を覗きこむようにして屈んでいるお姉ちゃんが反応が鈍い私に訝しげな表情をしていたので、急いで笑顔を作って取り繕う。
「う、ううん、なんでもないけど…どうして?」
「唯ったら、最近なんだか頻繁にぼーっとしてるわよ?」
「そ、そう?あ、きっと緊張してるのかな。お兄ちゃんがちゃんと新郎っぽくなってるのかなって。」
「あはは、確かにね。でもまあ、大丈夫じゃないかしら。お兄ちゃんもとうとうネングノオサメドキってやつなんじゃない?」
「年貢の納め時ね。うん、そう、そうなのかもね。」
多少動揺してしまったのは、多分お姉ちゃんに気付かれていないと思う。
そう、あれだけ女の人をとっかえひっかえして遊んでいたお兄ちゃんが、今日いよいよ結婚する。
相手は昔から付き合いのある桜さん。
あれだけいがみ合っていた二人でも、元を正せばお互いに気持ちがあるのは明白で、結局すったもんだの末に今日の祝いの日を迎えたというわけだ。
お兄ちゃんと桜さんの結婚は、広く皆から祝福された。特に、自分に似た下半身を持ってしまったと散々嘆いていたパパが。数年前に亡くなった私のお母さんと結婚するまでは、お世辞にも節操がいいとは言えなかったパパだ。そんな悪い血を継いでしまった義兄への親心は如何ほどだったのか、それは当の本人のみ知る事だと思っている。
皆が諸手を挙げて祝福して入る中、私は複雑すぎる心境でいっぱいだった。
と言うのも、私の好きな人はお兄ちゃんだから。
お母さんとパパが再婚した当時、既に大学生だった義兄が私を構ってくれたのは単に父親の再婚相手の連れ子だからと言う理由だったのだと思う。その行動を本当の兄のように感じていた私が、過剰すぎるコミュニケーションを恋心に変換させたのは、多分小学生の頃だったと記憶している。
お兄ちゃんは優しい。
きっと私がお兄ちゃんを異性として好きだと言うのは、自身の好意に聡い彼はきっと気付いていた。それを私に悟らせないように、あくまでも『兄』として接してくれたのは本当に感謝している。
私の『好き』だと言うのが『異性』として、という意味合いで告白していたら、きっと一線を引かれていたに違いない。
辛い恋なのはわかっていた。
最初から。
小さい頃から実りはしないと、どことなく感じていたもの今まで無視していたが、とうとう現実を直視するときが来たのだろう。
今日、兄とその伴侶が神に誓いを述べる。
死が二人を別つまで。
私は、女として、『義兄』という男と決別する。




