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第一話
第一話
「……勇者よ。お前、これで今週三回目だぞ」
玉座にどっしりと腰を下ろす金髪の少女、魔王ゼノヴィアは、眉間を指で揉みほぐしながら溜息をついた。その視線の先、深紅の絨毯の上には、聖剣を放り出してくつろぐ銀髪の乙女——勇者ノアが転がっている。
「えへへ、来ちゃった。だってここのソファ、王都の宿屋よりふかふかなんだもん」
「ここは魔王城の謁見の間だ。最高級の魔糸で織った絨毯をソファ代わりにするな。というか、さっさと私を討伐しに来いと言っているだろう」
ゼノヴィアが威圧感たっぷりに角を光らせても、ノアはどこ吹く風だ。彼女はあろうことか、魔王の足元まで這い寄ると、その膝にコロンと頭を乗せた。
「膝枕、おかわり」の合図である。




