004 地形確認とチュートリアルクエスト
2023年1月25日に001〜003の大幅な加筆修正を行いました。
一部内容の変更があります。
辺り一面が真っ白な不思議空間こと初期設定用空間から、DSCの世界に降り立ったロゼ、漸くゲーム開始である。
今いる洞窟は、先ほどコア召喚場所に設定した大きな無人島の何処かにある洞窟だろうと当たりをつけ、視界に映るウィンドウを一旦無視し、一先ず洞窟内部の確認を行う。
洞窟内を確認した所、ロゼがスポーンしたこの洞窟はかなり小さな洞窟で、ロゼがスポーンしたダンジョンコアが置かれていた空洞以外に大きな空間はなく、外に出るまで一本道だったのだ。
洞窟には一緒にスポーンしたダンジョンコア以外何もないことが分かったので、一度外に出て島の地形を把握しようとロゼは考えた。
外には魔物がいる可能性があるから遠出は避けたいので、近場に良い高さの木やら丘やらが無いか目視で探る。
すると洞窟の入り口に比較的近い場所にある程度の高さがある木があったのでそれに登り頂上から周囲を見渡した。
凡そ4メートルの木の頂上から島を見渡したところ、北側には比較的に低い草の生い茂った平らな地形が多くその先に海が見えた。
東側には高木の多い森があり海を見ることはできなかった。
南側には北側と同じく平らな地形が多くあったが低木を多く見かけ、奥には海を確認できた。
西側にはこの島の火山であろう山があり、当然ながら山に遮られ海を見ることはできなかった。
ロゼがいる中央では木が疎な林になっており近いところに湖もあった。
分かったのは、この島の地形は西の山以外は比較的平らで、南と北は4m地点から海を観測する事ができたので、この場所から海までの距離は遠くても8km以内である事がわかる。
東側は地平線まで森が見えたことから、観測地点と森の木の高さを同じと仮定し、ロゼの目線が50cm木より上で観測していたとすると、東は2km以上、島が続いていることになる。
計算に用いてる単位が適当なため、間違っている可能性も高いが、見えてる範囲でも40㎢ぐらいはあるんじゃないかとロゼは考えた。
僅か1分程度の探索だったがロゼ的には大成功だといえる。
北と南を観測した時、海の見えた位置がほとんど変わらなかったため、この島の南北においては中心付近にいると言っても良いだろう。
東西の距離が距離がわからないので島の中心かどうかはわからないが、ある程度中心であれば良いので、ロゼは満足してダンジョンコアがあった空間まで戻った。
ここで漸く、ロゼは視界の端でゲーム開始時点から点滅していたウィンドウに目を向ける。
【チュートリアルクエスト】
『メニューを開こう』
達成条件:メニューを開く
報酬:100DP
メニューの開き方:発声、または思考入力でメニューを表示できます
チュートリアルクエストという言葉からも分かる通り、初心者向けのチュートリアルをクエストにしたものだろう。
とは言え、初心者のみならず全てのプレイヤーが行う想定だと思われるので、此処は素直にクエストを進めていくべきだろう。
ロゼは手早く「メニュー」と発声し、目前にメニュー画面を表示させる。
【メニュー】
[ステータス]
[クエスト]
[フレンド]
[メールボックス]
[ヘルプ]
[設定]
[通報]
[ログアウト]
目の前にメニューウィンドウが出現すると、ちょっとしたファンファーレと共にメニューとはまた別のウィンドウが表示される。
【チュートリアルクエスト】
『メニューを開こう』を達成しました。
報酬はメールボックスに送信されました。
【チュートリアルクエスト】
『ダンジョンを作成しよう』が新たに追加されました。
次のチュートリアルクエストは、このゲームの目玉であるダンジョンの作成のようだ。
先ほどの『メニューを開こう』と同様に達成条件、報酬、ダンジョンの作成方法が記載されたウィンドウが視界の端に現れる。
【チュートリアルクエスト】
『ダンジョンを作成しよう』
達成条件:ダンジョンを作成する
報酬:100DP
ダンジョンの作成方法:ダンジョンコアに触れダンジョンコアの位置を決めましょう
特に指示に抗う必要もないので、ロゼは自分がスポーンした空間の中央に地面から80cm程浮いて存在しているダンジョンコアに触れる。
『ダンジョンの位置を此処で固定しますか?
はい← いいえ
注意:ダンジョンの位置は後から変更する事ができません。本当にここでよろしいですか?』
ダンジョンコアに触れて直ぐに表示された確認用のウィンドウにロゼは迷う事なく「はい」と答え、ロゼのダンジョンはこの洞窟の中になった。
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公開可能な情報
【観測者の高さから地上の見渡せる範囲】
ロゼが自分を中心として島の南北の長さが分かったのは観測者の高さから地上の見渡せる範囲の求め方を知っていたからである。
高さをh、地平線までの距離をdと置くと、d=1.06√h(2r+h)で求める事ができる。
なお地球を半径6378kmの球体とし、見渡すエリアに障害物がないと仮定し、大気の屈折により6%遠くまで見えると仮定する。
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