003 アバター作成
2023年1月25日 大幅な加筆修正を行いました。
2023年1月29日 僅かな修正を行いました。
すると、目の前のアバター設定用のウィンドウとは別に円柱状のホログラムが前方に出現した。
これも、昨今のアバター作成があるゲームではお馴染みで、作っているアバターを等身大で確認する事ができるものである。
今は何も設定していないため何も映っていないが設定を開始すれば映るだろう。
ロゼは予め決めていた通りウィンドウを操作して入力し手早く設定を済ましていった。
最初に、アバターの種族を【合成獣】を選択する。
キメラというのは、ひとつの体に複数の因子を持つ生命体を指す種族名で、デフォルトの状態ではギリシャ神話の【キマイラ】、つまり獅子、蛇、山羊の因子を持つ合成獣という設定になっている。
これを、【カスタム機能】という既存の種族の一部パラメータを変更して自分好みにカスタムする機能を使用し、【合成獣】の保有する因子を【全種族】に変更する。
これで、保有する因子は全種族になったのだが、因子の階級は各種族の中で最も低いものになっている。
【合成獣】だけに限らず複数の因子を保有する種族であれば、因子の比率というのを変更することができる。
ロゼはこの比率を【天使】15%、【下位悪魔】15%、【微精霊】15%、【下位吸血鬼】15%、【下位竜】15%、その他同値に設定した。
種族因子にはそれぞれ【覚醒度】と言うものがあり、その種族因子に関連する素材を使用することで上げる事ができる。
最初の【覚醒度】は因子の比率のパーセンテージに等しい。
【覚醒度】のパーセンテージがその種族因子の成長速度と成長限界を表すもので、100%をその種族の元の成長速度、成長限界のため、15%なら本来の成長確率、成長限界の15%と言うことになる。
成長速度や成長限界がとても低くなってはいるが、全ての種族の特徴を保有する事ができる。
本当の意味で全種族になるためには、全ての保有因子の【覚醒度】100%に上げる必要がある。
因子の中のひとつの種族を育てるにしても育成コストが非常に高いので、完全な大器晩成型であるといえる。
続けて、アバターのベースとなる種族を選択する。
これは【合成獣】の様に複数の因子を保有する種族が行うことのできる設定で、保有する因子の中からアバターの基礎になる種族を選ぶことになるのだ。
ロゼは特段、アバターの容姿に拘りがある訳ではなく、気分次第でどんなキャラクターでも使うタイプである。
【DUNGEON】の3作目まではプレイヤーのキャラクタークリエイトが存在していなかったが、4作目以降はシーカーの要素が加わったことでゲーム内にてアバターの作成という行為があった。
前作までは、VRゲームでは無かったためキャラクターの見た目や容姿で性能が変わることは一切なかったのだが、今回はフルダイブ型のVRゲームである。
容姿は相変わらず関係ないだろうが、身長や体型は探索者として遊ぶ上で重要だと思われる。
魔物との戦闘やダンジョンの探索もあるので、それに適した身長や体型があるだろう。
身長が高く、図体が大きければ大きな武器を使った戦闘やタンクに適しているだろう。
身長が低く、小柄ならば的が小さく攻撃を躱しやすくなるし、大きな魔物との戦闘では相手を翻弄しやすいかもしれない。
ダンジョンの探索でも、狭い通路などがあれば小さい方が探索はしやすいだろう。
一概にどちらがいいとも言えないがロゼは小さくて小柄な方がいいと考えている。
なので、ロゼは迷うこともなく身長が低く人型をした種族である【座敷童】を選んだ。
アバターの種族は変わらずカスタムした【合成獣】である【多因子生命体】のままなので、見た目のみの変化、いわば見た目種族といったところだろうか。
身長が低く小柄であることを理由に選んだ種族ではあるのだが、身長が低くて小柄なだけなら【小人種】や【地人種】、【妖精】なんかもあった。
その中で【座敷童】をベースに選んだのは、【座敷童】のその性質故である。
家に幸運を訪れさせるその性質から僅かでも幸運が訪れると嬉しいなと言う願掛けの様な物である。
勿論、見た目に選んだだけなのでそんな効果はあるはずもないのだが。
さて、ロゼがベースの種族に【座敷童】を選択すると前方にあった円柱のホログラムに5歳ぐらいの黒髪おかっぱの女の子(VRゲームでは18歳未満の子供のアバターに性別はないので見た目だけの話である)が映し出されていた。
ロゼはそのデフォルトの状態から、身長をキリの良い100cmに変更し、肌の色を薄い肌色に変更、髪型をロング、髪色を銀に変更する。
続けて目の色を右目が赤と左目が金のオッドアイにし、顔は少し小さくして日本人系の可愛い顔にする。
一先ず適当に骨格を調整し、すらりとした体型に、どう見ても子供なので胸はほぼ絶壁にする。
全体的に可愛らしく見えるようになったので、案内役に実際に動いて骨格を調整したいと言えば、一時的にアバターの操作を認められたので、体を少し動かして調整した。
その他、細かいパーツを調整して出来上がったのは、人型、身長が100cm、肌の色は薄い肌色、髪型はロング、髪色は銀色、目の色は赤と金のオッドアイ、顔は小顔で可愛い系、すらりとした体型の人形の様に愛らしい少女のアバターだった。
普段はアバターの容姿に頓着しないロゼなのだが、折角のフルダイブ型VRゲーム。
頻繁にはするつもりはないが、偶に配信か動画の投稿をしようと考えていた。
そうなるとアバターは可愛い方がいいだろうと、シーカーとしてのスタイルと容姿を両立させたアバターを作るに至ったわけである。
因みにこの容姿はインターネットで『人気のキャラクターの特徴』という記事を参考に作られたものである。
さて、これでアバターの作成が終了したので再び案内役に完了報告をする。
本日何度目かのやりとりを終え、ロゼの体がアバターに切り替わる。
最後に『それでは【DUNGEON seeker & creator】の世界をお楽しみください』と告げられ、ロゼの視界が切り替わった。
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公開可能な情報
【カスタム機能】
既存の種族の一部パラメータを変更して自分好みにカスタムする機能。
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