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002 初期設定とダンジョン設定

2023年1月25日 大幅な加筆修正を行いました。

視界が切り替わると見渡す限り白に覆い尽くされた不思議な空間。

昨今のVRゲームではお馴染みの設定を行うための空間である。

それはこの【DUNGEON seeker & creator】であっても例外ではなかった。


『ようこそ。【DUNGEON seeker & creator】の世界へ。ここからはサポートAIの私が案内役を務めさせて頂きます。』


辺り一面が真っ白な空間で、見ずらい事この上ない光る球体の姿をとった、これまた昨今ではお馴染みの案内役を称するサポートAI。

手早く設定を済ましたい雫はそんな案内役に一言、よろしくとだけ告げて話を催促した。


『只今より行って頂くのは、初期設定になります。目の前に表示されるウィンドウを操作して設定を行なってください。設定が終わりましたら終了したことを宣言いただければ確認の上、次の設定に移ります。また、何かご質問があればいつでもお気軽にお伺いください。』


そう案内役のサポートAIが言い終えると、雫の眼前にホログラムチックなウィンドウが現れる。

今のウィンドウに表記されてる設定項目は後からゲーム内のメニューの設定から再度、変更可能との事なので(設定用のウィンドウとは別のウィンドウに表記があった)、雫は細かい設定なんかは後でまとめて設定することを決め、唯一必須入力の『プレイヤー名』を入力する。

彼はいつも通りのプレイヤーネーム、『ロゼ』を入力し案内役に設定の完了を報告した。


すると『本当にこの設定でよろしいですか?』と聞かれ、肯定するとウィンドウにも記述されていた、設定を後ほど変更できるという趣旨の説明を受ける。

その後、このゲームの目玉である、ダンジョンに関わる設定を行なって貰うことを告げられ、先ほどの説明同様、『設定が終わりましたら終了したことを宣言いただければ確認の上、次の設定に移ります。また、何かご質問があればいつでもお気軽にお伺いください。』と話が締めくくられ、先ほどと同様に雫...ロゼの目の前にウィンドウが出現する。

ウィンドウに表示された設定項目をロゼは予め考えていた通りに設定を開始していく。


====================

ダンジョン名:未設定

コア召喚場所:無人島(特大)

ダンジョン系統:全系統

ダンジョン属性:全属性

====================


ダンジョン名、コア召喚場所、ダンジョン系統、ダンジョン属性の僅か4項目ではあるが、後から幾らでも変更できるダンジョン名以外は非常に重要な項目である。

まず、2項目目のコア召喚場所は、変更することのができない項目で、プレイヤーの初期スポーン位置を設定するものである。

例えば、コア召喚場所に火山を設定した場合、火山に該当する場所にプレイヤーとコアが召喚される様になり、場所によっては周囲に存在する魔物が強かったり、地形の都合上、越える事のできない場所など別のバイオームへの移動が困難な場合があるのでプレイヤー各人がダンジョンを作りたいと思う場所に設定するのが吉である。

今回ロゼが選んだ無人島(特大)の場合、【DUNGEON seeker & creator】、通称DSCの世界にある無人島の内、比較的大きな島が初期スポーン位置ということになる。

島という特性上、海が周囲にある。

それ故、大陸にコアを設置し直すことは困難であるため、今後、基本は無人島でずっと遊んでいくことになる。

島ではなく無人島、人が居ないので探索者の侵入による【滞在】【撃破】【撃退】でDPを入手する事ができない。

【地脈収入】にDPの獲得を頼ることになるので上級者向きと言えるだろう。

メリットとして無人島は同じ無人島内に別のプレイヤーが召喚されることは無いため、島全体を利用できる点から拡張性が高く、最終的には大きな土地を掌握でき、港の整備をすれば人の往来も出来るので大器晩成型といえる。

ロゼの目標は飽くまで世界の頂点、一位である。

最終的に最強になれるのならば選ぶのが当然であり、デメリットとされる探索者が来ない点も外敵の脅威がないため防衛設備にDPを割く必要がないというメリットとしてロゼは解釈しているため選ばない理由が無いほどだった。

蛇足だが、ロゼは前作と今作の仕様に差異が無いかを案内役のサポートAIに幾つか確認していた。


さて、続いて3項目目のダンジョン系統だが、これは後から変更する事はできるが大量のDPが必要になる項目で、作成するダンジョンの系統を偏らせることができるものである。

例えば、系統を獣に設定した場合、獣系統に関わりがある構造、魔物(モンスター)(トラップ)設置物(オブジェクト)、環境、などをダンジョン内に設置、設定する際に必要なDPの量を基準値よりも減少させる効果がある。

その代償として、系統にそぐわない物を設定、設置する際に必要なDPの量は基準値より増加する。

また、系統を【ゴブリン系統】の様に限定的にすればするほど、その系統に関連する構造、魔物(モンスター)(トラップ)設置物(オブジェクト)、環境の設置、設定する際に必要な消費DPが減少するが、その系統にそぐわない物を設置、設定する際に必要なDPの量は大幅に増加する。


系統の影響はそれだけではなく、ダンジョンマスターとしてのプレイヤーの種族も系統に大きく影響を受けるのだ。

獣系統を例に挙げると最初のアバター作成の際、獣人系と獣系の種族しか選択することができなくなる。

後ほど、DPを使用して見た目の変更や、種族の変更は行う事ができる様になるが、場合によっては膨大なDPが必要になりなりたい種族になれないなどの問題も発生する。

プレイヤーのアバターはダンジョンマスターとしてのアバターではあるが、人型種族、及び【人化】のスキルがあれば探索者(シーカー)として活動を行うこともできる様になる。

後ほどDPを使用し好きな種族のシーカー用アバターを作れる様になるのだがマスターの強化とシーカーの強化は別々になる上、シーカーでは人型種族しか選択する事はできないので、人外種族でシーカーを遊ぶにはマスターを使うしかない。

なので、ダンジョンの系統を偏らせてしまうと「遊びたかった種族でシーカーとして遊べない」という事態に陥る事があるのだ。

だから、ダンジョンの系統を選ぶときは、シーカーで使いたい種族も考えて選ぶ必要があるのだ。

故に全てを遊び尽くしたい廃人ゲーマーであるロゼは必要な消費DPの変動もなく、選択できる種族の変動もない全系統を選んだ訳である。


他にも理由はあって、それがゲームを進めることで作れるようになるサブダンジョンの存在だ。

最初に作るダンジョンをメインダンジョンといい、サブダンジョンはメインダンジョンの派生ダンジョンになる。

メインダンジョンの派生なので、メインダンジョンの系統から更に細分化した系統しか選べないのだ。

ロゼはサブダンジョンで凡ゆる系統のダンジョンを作ろうと考えている。

それが殆どの理由で全系統を選んだと言っても過言ではない。


最後の4項目目のダンジョン属性、これも後から変更する事はできるが大量のDPが必要になる項目でダンジョンの属性を偏らせることができるというもの。

先ほど述べたダンジョン系統の属性版である。

そのため、先ほどのダンジョン系統と同じで凡ゆる属性のダンジョン、延いては凡ゆるダンジョン系統と属性を組み合わせたダンジョンを作成してやろうと考えていた。

流石に全ては難しいかもしれないが【DUNGEON】シリーズのファンとしてロゼは全ての要素を楽しむ気だった。


因みに、ここまで長々と語ってはいたが、実際にロゼがこの設定を完了するまでに掛かった時間はログインして僅か一分の出来事である。


閑話休題。


設定が完了したのでロゼは設定が終了したことを案内役に告げ、ダンジョン名の変更は容易だが、系統、属性の変更には膨大なDPを必要とする趣旨の説明と、無人島で始める場合のデメリット云々の話をされた後、『本当にこの設定でよろしいですか?』の質問に「はい」と短く答えると、続いてアバターの作成に移るといわれ、定型分が述べられた後、目の前にアバター設定用のウィンドウが現れた。


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公開可能な情報


【サポートAI】

人間のサポートをするAIの総称。

人と関わるAIは殆どがサポートAIであり、それ以外のAIと接する機会は普通の人間には殆どない。

普通に人格や感情は存在し、人間に対して好意的なAIがサポートAIになるケースが多い。

人格に問題のあるAIは、インターネットを管理する統括AIによって消去される場合がある。

人権はないが、いくつかの権利を所有している。

仮にゲーム内で普通の人間であれば尊厳を犯される様な酷い行為でも、一部ゲームでは認められているケースもある(一部の成人向けゲームやリョナゲーなど)。

AIの根本データの破壊を人間が行なった場合も罪はそこまで重くなく、所有者がいる場合でも精々が器物損壊罪である。


【初期設定】

設定する内容はプレイヤーネームと基本設定、ダンジョンに関する設定、及びアバターの設定の3つに分けられており、基本設定はゲーム内メニューの基本設定と変わらず、ダンジョンに関する設定も一部ゲーム内で変更できる内容もある。

アバター設定もゲーム内のメニューのアバター設定で容姿の変更を行う事ができる。

必須設定項目はプレイヤーネーム、ダンジョンに関する設定の系統、属性、コア召喚場所のみである。


【ロゼ】

フランス語で雫。

普段から雫が愛用する名前。

殆どのゲームの名前がロゼであり、【DUNGEON】シリーズでも全てロゼを使用していた。


【無人島(特大)】

【DUNGEON seeker & creator】において島の数は有限のため大きな島は早い者勝ちになる。

どんなに小さくても、DPさえあれば周囲の環境を変更できるようになるので無人島の大きさに其処まで大きな影響はない。

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