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001 プロローグ

2023年1月25日 大幅な加筆修正を行いました。

皆さんは【DUNGEON】というゲームをご存知だろうか?

2025年にとある青年が作成し公開したゲームで、最初の作品が出され25年の月日が経過した今でも多くの人に愛されてる古き良きゲームで、現在まで全14作品が発売されている。

内容はタイトル通り【ダンジョン】をメインコンテンツとしたゲームで、プレイヤーはダンジョンマスターとしてダンジョンを作成、運営していくというゲームだ。

初作はオフラインでグラフィックがドットという、その当時であっても何十年も前のゲームを彷彿とさせる様な珍しい作品だったのだ。

そのお陰もあってか一部の層に受け、今でも愛され続けるゲームの一つになった。

このゲームは作成した青年の趣味で、新しい作品になるにつれて徐々にゲームの進化の歴史を辿るように、システム面やグラフィックが進化を続けていき、遂には世間で大流行中のVRのゲームとしての発売が決定された。

勿論、2025年当時のような視覚と聴覚のみのVRゲームではなく、最新のフルダイブ型VRゲームとして...



2050年7月24日23時58分


2050年、人間の技術の進歩は著しく、ロボットが人に代わって第一次産業と第二次産業を行い、AIも人に代わって第三次産業を行うようになった時代。

ロボットやAIで国が得た収入の一部を国民に分配する制度が日本でも実施され、全国民は月に20万円の不労所得を獲得する様になった。

それと同時に税金の制度は廃止になり、現代の国費はロボットやAIの労働で発生する金であるのが一般的だ。

とはいえ人にも働く場はあり、殆どの人が職についているのが現状である。

医学の発展も目覚ましくAIが精密動作を行えるロボットを介して手術を行うため失敗が無くなり、精密な検査技術により殆どの病気は解明され特効薬や治療法が確立された。

再生医療技術も発展し人の全ての器官がIPS細胞で作れるようになった為、先天的、後天的、関係なく凡ゆる欠損を治療することができる様になった。

また、男性であってもIPS細胞があれば子宮を作り体内に移植し完全な性転換を行えるようになった。

逆もまた然りである。

そのため、気軽な性転換が行われるなど性別による垣根は殆ど皆無となった。


特に、VRの進展には目を見張るものがあり、凡ゆる障害を取り除いた仮想空間が誕生した。

人は仮想空間で凡ゆる体験を行うことができる様になった。

仮想空間では男にも女にも子供にも大人にも、動物にも魚にも植物にだってなることができる。

戦争の体験も宇宙へ行く体験も過去の出来事の体験も異世界に行く体験もできるのだ。

世界中で言語、人種、国の垣根を越えVRが広まっていった。

そして日本では学校も仕事も仮想空間内で行われるようになった。

仮想空間では時間加速ができるという特徴を活かし、義務教育は6歳から9歳までになり、高等教育が9歳から11歳までが一般的になった。

仮想空間内の時間加速の影響で肉体より精神年齢が高くなり、11歳には2025年で言う大学生と同等以上の知識と思考能力を持っているのが一般的なる。

そんな日本では12歳以上の人間が娯楽活動を行う様になっているため娯楽市場は大きくなり、娯楽商品を扱う企業は多く、需要が高くなっていた。


今のゲーム業界では4つの大きな販売時期というものがある。

それは春休み、ゴールデンウィーク、夏休み、冬休みという、社会人が長期休暇を取るタイミングだ。

そしてそれは、この【DUNGEON seeker & creator】の発売もまた例外ではなく、夏休みに合わせてこのゲームのサービス開始の日程が設定されており、後わずか数分後、7月25日の0時からサービス開始となっている。


そして今、このゲームを楽しみに仮想空間内でそわそわとしながら待っている少年がいた。

その少年の名は『神崎(かんざき) (しずく)』と言う。

義務教育中、成績優秀だった為、ゲームをする時間が沢山あった雫は、小さい頃から【DUNGEON】シリーズをやり込んできた廃プレイヤーで、前作では全プレイヤーの中でランキングトップを取った実力者である。

そんな彼は待ち侘びていたフルダイブ型VRゲームで発売される【DUNGEON】でも、世界の頂点に君臨する事を目指して遊ぶと決めていた。

その為、事前に公式サイトの確認、クローズドベータの情報の収集、問い合わせによる運営への質問など情報収集を行った。


最近のフルダイブ型VRゲームでは時間加速が当たり前で【DUNGEON seeker & creator】においても、公式サイトにてゲーム内時間が4倍であることは既に明記されている。

故にスタートダッシュに遅れると挽回は難しいということになる。


特にこのゲームには、ダンジョンの作成、運営という行為がある。

ダンジョンはダンジョンポイント、即ちDPを集めることで広く大きく複雑にする事ができる。

ダンジョンでDPを入手する方法はいくつかあるが、【地脈収入】【侵入者の撃破】【侵入者の撃退】【侵入者の滞在】で入手する事ができる。

ここで注目すべきは【地脈収入】である。

これはダンジョンの広さによって入手できるDPが変わり、広ければ広いほど獲得できるDPが多いというもの。

時間経過で入手できるものなので、仮に朝8時からこのゲームをやろうものなら、時間加速4倍を考慮すると、およそ32時間分のDPを無駄にすることになる。


雫は自他共に認める【DUNGEON】シリーズの廃人である。

前作では全プレイヤーの頂点に輝いたプレイヤーだ。

そんなプレイヤーである雫が、そんな非効率なことをする訳が無い。

何なら現実時間で24時間、ゲーム内時間で丸4日ログインしてスタートダッシュを決めるつもりであった。


なので雫はサービス開始の瞬間にゲームを開始するため既に仮想空間内にいた。

サービス開始と同時にログインする設定にしていたので、ソワソワしながらも事前に確認していた情報を再確認して時間を潰していた。

すると、仮想空間内の自室に備え付けられた時計の短針と長針が数字の12を指し時刻が0時になったことを告げる。


それと同時に雫のいた仮想空間は【DUNGEON seeker & creator】の世界へと切り替わることとなった。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


公開可能な情報


【DUNGEON】

2025年に、とある青年が作成したゲーム、またはそのゲームシリーズの総称。

最初はダンジョンを作るというコンセプトのゲームであり、青年の趣味からファミコンでも遊べる容量にするという謎の縛りの上、完成した作品。

その特異さ故、当時から一定の人気を集めていた。

1作目はFC、2作目はSFC、3作目は64、4作目はPS2、5作目はPS3、6作目はPS4、7作目はPS5の様にゲーム機の世代の進化を辿る形で作成されており、4作目ではオンラインになり他プレイヤーのダンジョンを探索する要素が追加され、5作目からは広大なMAPのオープンワールドにダンジョンを作成しダンジョンの作成だけでなく本格的なMMORPG要素が追加されるなどした。

つい最近まで現役だった14作目では莫大な土地に膨大な量の魔物、構造物、設置物が数えきれない数まで膨れ上がっていた。


【フルダイブ型VRゲーム】

正式名称、完全没入型バーチャルリアリティーゲーム。

人間の脳を完全に解析し、全ての機能が明らかになったことで電気信号によって仮想世界を作り出すことが容易になった。

凡ゆる体験ができるフルダイブ型VRだからこそRPG、SML、FPS、ADV、格闘、パズル、ロボット、ホラーなど凡ゆるジャンルのゲームが作成され楽しまれている。


【時間加速】

昨今のカプセル型VR機器では内部に膨大な情報を処理する事のできるコンピュータが組み込まれている。

そんなカプセルのコンピュータを人間の脳と接続し、脳の演算領域を拡張することで擬似的な時間加速が実現された。

脳への負担は存在するが、5倍程度なら殆ど影響はない。

むしろ脳が活性化するため推奨されるほどである。

高倍速の使用後は十分な休息が義務付けられている。

人間が耐えられる限界の速度は約20倍と言われている。

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