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第一章 七話 これまでの事 by椿

第七章 これまでの事 by椿 です。


〜これまでのあらすじ〜


寮を作るには十日後のテストで二人ともトップ五位に入ればいいと言う条件をグレイン学園長から伝えられる。明日からの勉強に向けて寝てしまった二人はどこからか聞こえた声に気が付かなかった。

[あーあ〜もう分からないよ〜、楓奏教えて~][ここわね、こうして…こうするの][ありがとう〜]またもやつまづいた私ー高坂 椿を熱心に教えてくれる優しい楓奏。

親友で昔から勉強を教えてくれる楓奏。今思うのは楓奏がいなかったら私はこんなふうになっていなかったと言う事。

ふと楓奏と目があいニコッと笑ってくれた。[可愛いッ]と思ったとどうじに楓奏が笑っている事に感動を覚えた。なぜって?それは…。

二年前楓奏の母親が行方不明になった。

当時ニュースにもなり、警察や楓奏の父親も必死になって探したが見つからなかった、楓奏の母親は。

変わりに楓奏の父親の子を妊娠したと一人の女性が現れた。私達はそんな訳ないと思ったが楓奏の父親は一つ思いあたる事があったようだ。

[気が正気ではなかったんだ]そう言い訳していた。ただ世間からは[本当にそうなのか]と疑惑の声が上がり、やがて産まれた子供をDNA鑑定した所、親子だと言う事が明確に分かり楓奏の半分血が繋がった妹、咲連 桜が現れた。

全てはここからだった。

母親がいなくなったショックで落ち込んでいる楓奏をよそに、忘れたかのように父親は継母と桜と楽しそうにしていた。

私は楓奏の話を聞く事しか出来なかった。

やがて楓奏から笑顔が無くなった。

[許せない]桜にその事を話しても、[はいそうですか]と言う返事しか返って来なかった。私の父と母に頼んで楓奏の父親に言ってもらっても一向に楓奏への態度を変えなかった。

[もう思い出したくないんだ]ひと暴れしてやりたかった。ただ、楓奏がその事を望まなかった。

[いいの、お母さんが望んでいないから]諦めの色に染まっていく楓奏をどうしようと家へ帰っている時に全ては起きた。

手のひらサイズの鏡がひかり、私はその中へ吸い込まれ目を開くと、メイドとして窓を拭いていた。

それからだ。

人が変わったとバレてしまい国王へ呼び出され、[お前は桜か]と聞かれ[い…?いや、桜じゃないです。高坂 椿と申します]そう言ってここがゲームの世界だと言う事を知り、フィンフォニア学園でメイドとして働く事を許してもらった。

そうして今に至る。

(…あれ?…、私ってここにきて楓奏の事を考えた事あったっけ。いやいやそんな事ないよ、ほら一回ぐらい…。

あれ、ないないないない。私ここにきて楓奏の事を考えた事がない!)頭の中がパニックになった。

という事は[楓奏はあの家族の事を覚えてない]ボソッと一人呟いた。それだったら今こうして楓奏が笑顔だった事につじつまがいく。

[あのふ…あっ、]思いついた一つの事に。[このまま楓奏に明かさなかった方があんな思いをせずにいられる。楓奏の笑顔も守れる]思わず手を上にあげたかったのだがここは図書室、他の人もいるのにそんな事は出来ない。

[どうかしたの椿?]心配して声をかけてくれた楓奏に私は[ううんなんでもないの、ここ教えて]と返した。

楓奏の笑顔は私が守ってみせる。

最後まで読んで下さりありがとうございました。

漢字などの間違いがあればすいません。

次回も見てもらえると嬉しいです。ではまた。

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