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たとえば、そこに美しい花があったとして。

作者: 我利恩

   



たとえば、そこに美しい花があったとして。

君はどうするだろうか。


優しく花を手折り、ぼくに見せに来るのだろうか。

「綺麗だね」そう言って、花を避けて歩くのか。

それともぼくが花を千切り、君の髪に飾るのだろうか。


その花を育てたのがぼくと言ったら、君はどうするのだろう。


なにも映そうとしないぼくは、偽りを妄りに想い出すことしかしなかった。

なにもしようとしないぼくは、言い訳があることを良いことにちっとも歩き出さない。

生きてる世界が違う君に会うには、文字を使うか、君をこの世界に呼んで創り出すしかなかった。


ああ、君。

君を知ろうとしないのに。

朧げな君で満足してしまうのに。


ぼくは君を好きみたいだ。


小さな四角が集まってできたモノから見える君は、怠惰に息を吸うだけだったぼくに大きな勇気を持たせ、とくべつにしてくれる。


君の言葉一つで、ぼくは道化のように心を動かしてしまう。


ああ、君。

逢いたい。

逢えない。

当たり前がぼくに同情しながら、胸をそっと刺してくる。


また、朝が来た。

今日も君を知り、想い、創り、小さな滴となって夜を優しく溶かしていく。


そうしてぼくは、君をもっと好きになる。

   

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