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日常 Ⅲ

海斗と朱音が教室に戻った後朱音の席には人だかりができた。

一時間朱音が戻らなかったことに心配をして近くに来るものもいれば、何をしていたのかを聞きに行くものなど様々ではあるが表情は笑顔で話をしている。

もちろんそれは中心にいる朱音も同じである。


一方海斗の席は朱音とは対照的に人が集まっておらず、むしろ海斗の周りから少し離れているものが多く、まるで海斗を避けているかのようである。


海斗はその事を気にした様子もなく自分の左側にある窓を見上げて唯時が過ぎるのを待っていた。


「お前達そろそろ席につけよ。」


そう言いながら教師が教室に入ってきた。

その声を聞いた生徒達は自分の席にそそくさと戻って行く。

教師は持っていた教材を教壇に置き、そのまま話始めた。


「お前達も知っての通りそろそろ進級試験が始まる。今回は試験の内容と今後の時間割について説明するぞ。」


教師は教材の中から一つのファイルを取り出した。

ファイルにはそれぞれの生徒の名前が書いてあるクリアポケットが綴じられている。

教師は名前の書いてあるクリアポケットからプリントを取り出し同じ名前の生徒に渡しながら更に話を続けた。


「まず今後の時間割についてだが、試験まで間は午前の授業のみを行い午後は授業等は無く速やかに下校しろよ。まあ学校に残って復習したい奴は事前に職員室へ許可を取りに来いよ、理由によって貸すか貸さないかは此方で決めさせていただくが。」


教師が生徒にプリントを渡終えそのまま教卓の後ろに移動し始めたとき一人の女子生徒が手を上げた。


「先生一つ質問宜しいでしょうか。」


彼女はこのクラスの委員長である一條薫。

プリントを配られた後の自分の周りの席を確認し直ぐに質問始めたのだった。


「後にしろ。」


教師からは質問の受付はされなかった。

薫も教師からの言葉を聞き「わかりました。」と一言いい上げた手を膝の上におろした。

教師は薫の行動を確認した後にまた話を続けた。


「続けるぞ。次に試験内容についてだ。試験は実技試験のみを行ってもらう。実技試験はお前達の持っているギフトカードと召喚獣の本契約が実技試験の合否を決める。本契約が成功した者はそのまま進級、成功しなかった者は次の進級試験まで留年となる。気合い入れて行えよ。」


そう言うと教師は後ろにあるディスプレイに自習時間と表示し教壇の近くの椅子に座った。


「あ、最後にいい忘れていたが渡したプリントを紛失したあるいは試験当日に持ってこなかった場合はその場で失格とするから絶対に無くすなよ。」


教師がそう言った後、教室にいた生徒の大半はこう思っただろう。

そう言うことは早く言ってくれと。





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