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一体何!?まさかあの男が?


デルガは確かに右肩から左脇にかけて真っ二つにされたのだが意識がある。

本来悪魔に対しては炎が有効で、物理的な攻撃は基本的に通らない。

厳密に言えば通りにくい。


そもそも大変堅いのが悪魔なのだ。それゆえ剣や槍などではその体に傷をつけることが難しく、

悪魔の扱う闇属性の魔法で精神汚染に幻覚、その見た目とは裏腹な凶悪な膂力で八つ裂きにされてしまう。


勇者等は基本的に炎の魔法付与が施された魔剣、火属性の魔術師との協力を以てして対抗する。


だから単純に悪魔が真っ二つにされることは起こり得ないことだった。

生命力の高い最上位の悪魔であるためデルガは意識ははっきりとしている。



「やったか?」



テツはフラグを立てながらデルガが墜ちた場所まで駆け寄ってくる。

そしてテツは小心者であるため小芝居を打つ。


デルガがまだ生きていて反撃のチャンスを狙っているかもしれない。

そしてそれを看破していると言う風にみせかける為に声をかける。



「いつまで寝ているんだ?」



は!?なんのつもりなの!?自分で私を真っ二つにしておいて何を言ってるの?起き上がれるわけないでしょ???


デルガは内心そう叫ぶも体を修復させるために精一杯で声を出せない。悪魔は頭が残っていればそこから再生することが出来る。しかし、再生には相当な時間を要する。



「なんだ死んじゃったのか?」



もう少しテツは様子を見る。

デルガの体は切断されているが血が出ている様子は無く、切断面は真っ黒だ。

少しテツは安心した。あまりグロいものを見なくて済んだからだ。


一方デルガは焦る。



なんなのよ!?まさかあたしが死んだと思って残念がってるの?じゃれたつもりだった?

なんてバケモノなの!!ヤバイヤバイヤバイ!!死んだフリして興味をなくして貰わないと何されるか分かったもんじゃないわ!




テツはデルガの切断面がうようよ動いていることに気付き、再生しようとしてるんだと悟った。とにかくこの再生を止めなければとテツは考えた。


テツはデルガの切断面に土魔法でコーティングしたのだ。まるでセメントで固めたかのように。


これに驚いたのがデルガ。



なんってことしてくれるの!?

これじゃあ再生出来ない!!やっぱりばれてたのね!

このままじゃあ生命力を使い果たして死ぬのを待つだけになってしまうわ!


悪魔の体の再生はつまりは回復魔法なのだ。


回復を封じられたデルガはテツに一矢報いる為にも闇魔法を放つことも出来たのだが、デルガはテツを相当な格上の存在だと誤解をしてしまい、ダメで元々だと割り切ってから命乞いをした。


「私の負けだわ。あなたの軍門に下りますからこの土魔法を解いて下さいませ。このままだと本当に死んでしまいますわ」



テツはビックリした。

生きてるんかい!と。それと同時に可哀想に思えてくる。命乞いをしてくる相手を殺すのが忍びないのだ。たとえ魔王でもだ。


いや、こいつを信用するのは難しい。そもそもこいつは人間を殺して楽しむ鬼畜じゃないか。こんなんになっても生きてるし、土魔法で切断面を固めるまでは死んだフリしてたじゃないか!


きっと油断して背を向けたら不意打ちをして来たに違いない!



テツは土魔法でデルガの体を全てコーティングし固めてしまった。そしてデルガの頭のある部分はギルドに持って帰ることにし、残りの部分は焼却した。


カチカチに固められたデルガは結局テツに持って帰られる途中で死んでしまった。

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