表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夢見る少女は儚げに笑う  作者: 久留野凉
1/1

京都伏見の彼岸花

北野亜紀は亡き父の跡を継ぐことで精一杯の私立探偵見習い。そんな彼女はひとりのシリアルキラーと対峙することになる。犯罪心理にも疎くいつまでも現場には慣れないが、自分の思う善悪を貫き通そうとする彼女の成長物語。

 鮮やかな(あか)に染め上げられた斜面は、広く澄み渡る青空とは対照的に陰鬱(いんうつ)とした雰囲気を醸し出していた。

 神社の境内にて、鳥居(とりい)と同化して朱一色となった風景は私の「何か」を奪い、不思議な世界へと誘う。

  まるで、茜色(あかねいろ)に染まる坂が私の「人としての新たな道」を敷き直してくれたかのように――




 私の人生は、最低最悪のものだった。

 幼稚園の頃、人の輪に入れさせてもらえなかった。

 小学校の頃、一人でいることを馬鹿にされ、教師にも意識され避けられた。

 中学校の頃、よく話しかけてくれた子は実は私のことを裏で嘲笑(あざわら)っていた。


 そして今――


 私は、とてつもない快感を感じている。


 幼稚園の頃に私を見るだけで笑っていた男共。

 小学校の頃に私のプライドをボロボロにしてきた女共。

 中学校の頃に私を嘲笑(あざわら)いSNSで個人情報を世界中にばらまいた集団。

 私の身体目当てで付き合って、ハメ撮りをネットに拡散した彼。


 みんなみんなみんなみんなみんなみんなみんな。

 この手で闇へ(ほうむ)り去った。


 ハハッ、今の気持ちはどうだって? そんなの嬉しいに決まってる。

 幼い頃から私は孤独だったけど。

 神は、神様だけは、私のそばにいてくれてたんだって。

 そう、心から感じられた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ