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ジョブチェンジ

「もう、終わらせたのか?フィロルが言うのだから信じるが、私の領兵達ですら手が出なかった相手を、こんな僅かな時間で?」


偉そうなおっさん間抜け面にしたった。いやー爽快ですわ。

なんで内心喜んでたら扉が開いて修道女さんが入ってきた。え?なんで?馬使ったの?


「信仰を極めんとする貴方、よくぞあの者を収めてくださいました。まずは、その礼を」

「お仕事ですし」

「そうですか。では、聖書をこちらへ」


回復と浄化しか使ってない聖書を手渡す。もっと色々使うべきかな?リジェネとか結構楽しそう。

修道女さんが輝き、聖書へと光が集まっていく。

白と青のストライプってそれ大丈夫なの?って思う聖書を返される。俺の着てる服も青と白の太いストライプに変わってるし、センスが悪い。ワンポイントとかならまあオシャレかな?と思わなくも無いけどストライプはちょっと。装備変えるか?

でも装備神聖ダンジョンにあるか、でも胴はなんとなく変えたくないな。フルアーアーより手足固めて胴だけ服とかの方が好きだし。


「では、より聖職の高みへと」


そう言われると同時にレベルアップのファンファーレが鳴り響きウィンドウが勝手に出てくる。そうか、報告が終わるまでがクエストですよ、って事か。デュラハンさん倒してもなんもなくっておっかしーなーって思ってたわ。


PN:ノーマルハンド

LV:14→18

JOB:聖職者→伝道師

HP(体力):19→23

MP(魔力):20→24

END(持久):19→23

STR(筋力):24→28

AGI(敏捷):18→22

TEC(技量):24→28

EDU(知識):34→42

FAI(信仰):108→120

LUC(幸運):23→27


Free(自由割り振り):20


4レベ上がった。なんか、スケルトンの後だから感覚がおかしい。適正レベルなんて知らずに凡百の聖剣エンチャントで弱点ブン殴るスタイルだからかな。いやでも一体倒してレベル10上がるのは普通に考えておかしいな。4レベ上がるのも大概おかしいけど。普通にやってたらまだ信仰二桁前半だろうな。相性ゲーサイコー!

いや待てなんかおかしい、なにかがおかしい。なんだ?

あっ、これ信仰がおかしいんだ。本来なら116のはずなのに120になってんだ。えっ?これ職業変わった後にレベルアップした感じ?ステータス上昇が2から3になるの?なんだこれ、数レベ無駄にした感あるな。4レベル無駄にした?

これはジョブチェンイベント開始条件のステータスに気を使わなきゃいけないな。次いくつでジョブチェンジなんだろう。


ハァ、帰るか。


「また会えるか、ノーマルハンド」

「まあ、また会えると思うよ?フィーさん」


なに?フィーさんがヒロインムーブしてくるんだけど。そう言うなされても困る。NPC相手でも勘違いしちゃう。


「そう言えばあの二人はちゃんとお仕事してる?」

「ああ、先程確認してきた。まだ負傷者は残っているが、時間の問題だ、旅があるのだろう?」

「そう、俺にはやるべき事がある。ではさらばだ!」


フィーに別れを告げ颯爽と立ち去ろうとすると「宣教師よ、宜しければお送りいたします」修道女さんから声がかけられた。


「とは言っても、私の教会へとですが」

「あっ、助かります。お願いします」


小走りで修道女さんの元へ辿り着くと何かの呪文を唱え始める。

すると地面に青白い模様が描かれる。魔法陣っぽくないな、見た事あるけど、なんだ?

思い出そうとしてると答えが目の前にあった。

教会のステンドグラスか、スッキリしたわ。ってあれ?もう移動したの?聖職極めると瞬間移動出来るのか、宗教ってスゲェ!

よっしゃこのまま信仰ダンジョンに行くぞー!今ならスケルトンがどれだけ来ようと余裕だわ!





余裕だったわ。

ただ、なんか、浄化が強いだけで凡百の聖剣が強い訳ではない気がして来て途中でやめた。

だってさ、聖書を開けばロー・ピュリフィケイションとピュリフィケイションってのがあって、試してみたらローの方が今まで使ってた感じで、普通の浄化が消費魔力1.5倍、威力が2倍って言う性能でさ、これ絶対浄化が強いだけやん!って思えてさ。


「と言うわけでゴーレム狩ろうぜゴーレム」

「突然だなお前」

「レベル18になったけど聖剣まだ+5で心許なくって」


こちらゴーレム狩りメンバーのアイナス君とナマルさん。酒場っぽい店で合流してくだ巻いてる所。

唯二のフレンドだし、まだナマルさんの友達ゲーム始めてなくてゴーレムパーティー続けてたし丁度良かった。


「私もまだ17よ、凄いわね」

「ジョブチェンイベントの適正レベルじゃなかったから4レベ上がって驚いた」

「よくそれでクリア出来たなお前」

「多分相性の良いモンスターが設定されてるから余裕だって」


脳筋なら物理に、魔法なら魔力に弱いんだろ。普通に肉弾戦仕掛けてくるから完全後衛なら厳しいだろうけど、レベルを上げてってやつだ。

多分フィーさん死亡してたら展開変わったと思うし。きっとみんな用意された相方死にまくってるんだろうな、助けられてよかった。

というか、アイナスどうした?さっきから俯いてるが、なんだ、悩み事か?


「アイナス、どうかしたのか?テンション低いぞ?」

「あ?あー、同時期に始めた友達はギルド入ってエンジョイ。後輩はいつのまにか俺よりレベル高い。モチベがな、やめようかな」

「おいおいアイナス、それはお前が本気でプレイしてないからだ」


さっきから立ちっぱなしだったがドカッと椅子に座ればアイナスは顔を上げ、ナマルは呆けた顔で俺を見てくる。


「お前はアイナス、俺の先輩冒険者で無茶な事する愛すべき馬鹿野郎だろ?」

「そうね、最悪一人で勝てもしないゴーレムに挑む所だったバカな私の後輩」


ロールプレイ最高。俺がそう思うのは、よりゲームに入り込めるからだ。

例えゲームの中でドラゴン倒してもそれがただのゲームなら、つまらない。

フルダイブVRと言う仮想だが、走れば疲れる、武器は重い、痛みは軽減されているが感じる。実体験でそれを味わえる。つまり、ロールプレイこそフルダイブVRゲームを楽しむ最高の方法なのだ!


「我が名はノーマルハンド!信仰を極め、いずれ凡百の聖剣の名を轟かせる者!」

「火の魔法を極め、どんなモンスターも一撃の元灰にする魔術師、になる予定のナマル」


立ち上がり聖剣を抜きテーブルの上に翳せばナマルさんが立ち上がり杖を聖剣の上に添える。

さあ、アイナス。お前はどうする?バカになるか、ならないか。お前が主人公になる瞬間はここだぞ。


「あー、クソ!俺の名前はアイナス!目指すは最強両手剣戦士!」


アイナスが立ち上がり、勢いよく両手剣を叩きつけてきた。が、俺たち二人は咄嗟に武器を引いて避ける。


「アイナース!信じてたぜー!お前はバカだって!」

「最強は無理ね、極振りじゃないもの」

「お前らなんだよ!人がやる気出してる所によォ!」

「まあまあ、ゴーレム狩り行こうぜ?」

「クッソ、ノーマル!お前俺のレベル上げに付き合えよな!」

「暇だし、喜んで」

「私、後四日の付き合いね。覚えておきなさいよ?」

「ナマルの友達巻き込んでギルド建てね?」

「ギルドって、別にそんなのしないで良いじゃない」

「ギルド、どこで建てれるようになるん?」

「レベルで言えば35からよ。まだまだ先よ」

「言い出しっぺ、頑張って35レベになれよ。建てたら入るから」

「そうね、建てられたら、考えてあげても良いわ」

「お前ら言ったな!俺はやるぞ!やるからな!」


アイナスが楽しそうで何よりだ。


「ギルド私物化してやるからな!」

「ギルド、なんかイベントあるの?」

「将来的にギルドVSギルドのPVPイベントが実装されるらしいわよ。まだギルドの数が少ないからされてないって噂」

「へー、あーそうだ。極振りギルドと連絡ついた、ありがとナマル」

「そう?じゃあアイナスのギルドより互助会入りの方が早いかもね」

「ギルドは掛け持ちできるから!互助会入っても俺のにも入れよな!」

「いや、互助会入るかまだ未定だし、ギルドとか、そういうの苦手だし」

「知るか!行くぞ付き合え!」


アイナスがさっさと店から出て行ってしまった。


「ノリノリね、責任とりなさいよ?」

「男の責任とかとりたかねぇなぁ」


なんで俺のヒロイン枠がアイナスなの?ナマルさん?怒るよ?

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