イノシシイベント終了後
「結果発表よ」
イノシシ狩りイベントの終了通知を受け、俺達は集まった。
残念ながらあの四人組とは別れた。フレンド交換は全員としたからどこかでまた共にする時も来るだろう。
「まずは私から。総計7体よ」
「はぁ、6」
「私は9でした!ノーマルさんはどうした?」
「9に候」
「じゃあ二人がアイナスに命令可能ね」
「それアリかよ!クソゲー!クソゲーだ!」
「このギルドではナマルさんが正義だからな」
「初めて聞いたんだけど!」
「残念ながら、お前には知らされてなかっただけだ」
「神妙な面持ちで言うの止めろよ!ガチっぽいじゃねぇか!」
「え?嘘なんですか?」
「これから本当になるから嘘じゃないよ」
「本当にするかよ!ギルマス俺だぞ!」
「でもお前、ナマルさんに勝てる?」
「いや、いや、それは、その。いや待て納得しかけたけど待て!」
「俺も勝てねぇ」
「私は戦いません」
「スコア0:2:1ね。じゃあ次、ノーマルね。私は勝てるわ」
「さっきボコられたばっかだよチクショウ!」
「私は戦いません」
「これでスコア1:1:1ね。次ノルーね。私は勝てるわ」
「いや、俺は、どうだろ」
「勝て、いや戦わねぇわ!」
「1:0:2ね。じゃあ最後アイナス。問答無用で勝てるわ」
「勝てる。勝った」
「戦いませんよ?」
「2:0:1ね。決まったわね?」
「チクショウ!納得いかねぇけど納得するしかねぇ!」
「これが暴力主義ですか?」
「あらやだ民主主義よ?ちゃんと意見を聞いてるじゃない」
「なんでも戦いで決めるのは良くないと思います!」
「そうだそうだ!」
「いやもういいじゃん。アイナスには決断力無いし」
「普通にディスるのやめろ!」
「ギルド作った行動力は認めるよ?でもさ、ギルドでイベント攻略とか、言った?」
「いっ、言ってないです」
「なんでいつも一人でレベリングしてるんですか!声をかけてくれれば一緒にやりますよ!」
「はぃ、以後気を付けます」
「お前一人でクエストもやらずにレベリングしてんの?」
「うっせ!一人でやっててもたまに声かけられるんだよ!」
「まあ、今回それがきっかけだし良しとしよう。これからも一人で狩りをしてコネを広めてくれ」
「いやそこは誘ってくれよ!知っただろ!今、俺が一人で狩りしてるってさ!」
「そう言う趣味の人なんだろうなって」
「俺はなんでオンゲーしてんだよ!なんでギルド建てたんだよ!」
アイデンティティー崩壊の危機を迎えるかわいそうなアイナス。別に救いの手を差し伸べたりはしない。
「それで?命令は決めたかしら?」
「私は、別にいいです」
「うーん、面白い事。面白い事?」
「いや面白い事じゃねぇよ!なんも面白くねぇわ!」
「んー、リンボーダンス?」
「迷ったのに変なチョイス!」
「じゃあ盆踊り?」
「思い出したような和風要素!最初っからそれ言えよ!」
「まあいいや、踊れ」
「いや雑ッ!」
どうしようかな。ナマルさんをチラッと見る。
「今度リンボーダンスな」
「今じゃねぇのかよ、生殺しじゃねぇか」
「どこでやろうかしら」
「ギルドホームじゃねぇのかよ!」
「レッツ公開処刑」
「やめてくれよ」
「じゃあコサックダンスにするか?」
「リンボーか、コサックか、盆踊りか、ボックスステップのどれかね」
「一つ増えてんだけど!なに!お前の趣味どうなってんの!」
「選べ」
「チクショウ!どれが一番まともだ?おかしいなぁ!全部おかしいなぁ!」
しいて言うならボックスステップじゃね?
「この話はまた後でな。次はどうする」
「次、次って言われても俺にはないぞ」
「私もないですよ?」
「ナマルさんはなんかある?」
「あるには、あるけど。貴方、死ぬわよ」
ナマルさんは占い師かなにか?
とりあえず、行ってみた。
自己紹介したら殺された。リスポーンして、戻ったらまた殺された。
殺される理由は聞いてないからマジでわっかんね。
もう一回殺されて、いつもの酒場からナマルさんへのチャットをすることにした。
[ノーマル]:ナンデ、ナンデ?
[アイナス]:ざまぁ
[ナマル ]:言ったじゃない
[ノーマル]:俺、魔法ギルドになんかした?
[ナマル ]:簡単に言うと、あそこ魔法ギルドじゃないのよ
[ノーマル]:さぎだー
[ナマル ]:主にいるのは魔法と信仰振りのスキル情報収集ギルドよ
[ノーマル]:なんでそんなトンチキなギルドが
[ナマル ]:プレイスタイルは人それぞれよ
[ノーマル]:おおよそ分かった。ポリューションさんか!
[ナマル ]:そうなるわね
[ナマル ]:使い勝手のいいスキルを一人だけで独占してるからね
[ノーマル]:分かった、入手した時の事を言う。だからクエストに参加させてくれ
おっ、返信遅いぞ。これは、もしや?
[ナマル ]:んー、もう一声ってさ
[ノーマル]:もう素寒貧だぞ拙者!
[ナマル ]:従者
[ノーマル]:今ここで言っていいん?
[ナマル ]:私が情報絞るから、さっさと言いなさい
[ノーマル]:ポリューションは[偽書]ってアイテムで使える。伝道師から聖剣使いになるクエスト終わったら手に入ってた
[ナマル ]:伝道師ってなに?ってさ
[ノーマル]:俺が知りたいんだけど?
[ノーマル]:聖職者見習い、聖職者、伝道師、聖剣使い、聖剣の流れなんだけど
[ナマル ]:今度検証するってさ
[ナマル ]:従者
[ノーマル]:待って、従者情報はどこから?どこからもれた?
[ナマル ]:聖職者ギルドの幹部
[ノーマル]:把握。吊し上げてやる
アルカさんに連絡だー。
下が知らないって事は幹部が情報流出した感じでしょ?せっしゃはゆるさない。
[ノーマル]:従者は、前に言ったでしょ?
[ナマル ]:なんか言われたかしら?
[ノーマル]:俺がフィーさん連れてギルド行った時にレベル言ったでしょ?
[ナマル ]:えっと、なんだったっけ?
[ノーマル]:まったくこの子はもー、ひとのはなし聞かないんだからもー
[ナマル ]:待って、気持ち悪い
[ノーマル]:信仰ステータス、補正値込みで1000到達
[ナマル ]:待って、貴方そんな事になってるの?
[ノーマル]:補正込みだからね?
あれ?今の俺って何レベル?
PN:ノーマルハンド
LV:89→91
JOB:聖剣騎士→聖剣
HP(体力):99→101
MP(魔力):95→97
END(持久):95→97
STR(筋力):100→102
AGI(敏捷):95→97
TEC(技量):100→102
EDU(知識):176→180
FAI(信仰):667→677
LUC(幸運):98→100
Free(自由割り振り):10
2レベも上がってた。
これで信仰が687。補正値64パーセントで439。込み込みで1126。
まあ、この間、漸く山の麓に辿り着いたって所。後は、頂の見えない山を登る事になる。って感じ?
遠くから見れば極振りなんてよゆーよゆー、って思っててもいざやり始めるとこんなもんよ。
毎度毎度どんなゲームでも極振りは苦痛を感じるし。次のゲームは止めよう、せめて初見プレイは普通にやろう。って思うんだけど。
止められないんだな、これが。気が付いたら信仰にステに振ってるんだよ。病気だねコレは。
[ナマル ]:来いってさ
[ノーマル]:ダッシュ
すぐ行くわ。待ってろイベントー!
「ひゃーはっはっは!地獄絵図だぜ!」
「貴方、さすがにちょっと」
「やられたらポリューションだ!やられてなくてもポリューションだッ!」
殺された。
ので、服装を変えて速攻で戻ってポリューションしてやった。ついでにアイナスも泣き叫んでるけど気にしない方針で。
「それにほら、今の拙者らしいでしょう?」
「いや、戻りなさいよ」
ナマルさんが杖を構えて俺を威嚇してくる。それもそのはず。
今の俺は骸骨頭に浴衣を着ただけの男。
素手、素足。装備品無しの身軽な体。なんと、なんと心地よい事か。
感動してたらナマルさんとノルーさんに殴られた。




